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(1) 量の単位と測定に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 長さの単位(キロメートル(q))及び重さの単位(グラム(g),キログラム(s))について知り,測定の意味を理解すること。

(イ) 長さや重さについて,適切な単位で表したり,およその見当を付け計器を適切に選んで測定したりすること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 身の回りのものの特徴に着目し,単位の関係を統合的に考察すること。

(内容の取扱い)

(7) 内容の「C測定」の(1)については,重さの単位トン(t)について触れるとともに,接頭語(キロ(k)やミリ(m))についても触れるものとする。

 第2学年までに,長さにおける比べ方を基にして広さやかさも同じように考えたり,任意単位の測定を基にして普遍単位の測定のよさに気付いたり,便利な基準量を基にしておよその見当を付けて表現したりすることについて指導してきた。

 第3学年では,身の回りのものの特徴に着目し,測定する対象の大きさのおよその見当を付けて適切な計器を柔軟に選択したり,長さや重さの単位を関係付けたりすることを主なねらいとしている。

 また,第3学年の長さや重さについて,およその見当を付けて適切な計器を選択して測定しようとする態度を養う。

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 ここで育成する資質・能力は,日常生活に必要な長さや重さを測定したり,単位を関係付けてみたりして,自らの日常生活に生かされるものである。

 
 

 長さの単位として,第3学年では,キロメートル(q)を指導する。

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 1qの長さを直接見て捉えることは難しいため,100mの10倍,10mの100倍といった関係を基に理解できるようにすることが必要である。

 また,通学路などを思い起こさせ,学校から1qの道のりに当たるところを調べさせたり,運動場の200mのトラックを実際に5周歩かせてみたりすることで実感的に捉えられるようにすることが大切である。

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 重さについては,これまでの量の場合と同じように考え,単位となる重さの幾つ分かで測定できることを理解できるようにする。

 また,1gや1sの単位の意味について理解できるようにする。

 そして,日常生活における体重の測定,食品の買い物などで,計器を用いてものの重さを測定することを見聞きする経験や,1sの重さの具体物を手で持ち上げるなどの体験を通して,基本的な量の大きさについての感覚を豊かにする。

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 また,ものの重さを量る場合には,そのものを直接量ることができないので容器などに入れて量る場合がある。

 この場合には,

 「(正味の重さ)
   =(全体の重さ)−(容器の重さ)」

という関係が用いられることも理解できるようにする。

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 「内容の取扱い」の(7)では,g,s以外の重さの単位,トン(t)の扱いについて示している。

 ここでは,日常でよく用いられている「トン(t)」も大きい重さを表す重さの単位であることや,1t は1000sであることを指導する。

 また,長さと重さの単位には,どちらもキロ(k)の付いた単位があることや長さとかさの単位には,どちらも,ミリ(m)の付いた単位があることから,接頭語について触れるものとする。

 
 

 ここでは,主に実際の生活場面での効率的な測定,的確な表示ができるようにすることをねらいとしている。

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 ある量を測定するとき,その量がどの程度の大きさであるか,およその見当を付け,測定に用いる単位や計器を適切に選択できるようにすることが大切である。

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 例えば,木の回りなどの曲線部分の長さを測る場合に,巻き尺を用いて測ることや,ものの重さを量る場合に,およその見当を付け,適切な計器を選択して測ることについて指導する。

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 はかりの取り扱いに関しては,どれだけの重さのものまで量れるかという秤量や,どのくらいまでの詳しさで量れるかという感量に気をつけることなど,使用上注意すべきことがある。

 計器を用いての測定に当たって,それらの点に留意する態度を養うことは大切である。

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 その際,測定して得られた数値が,適切な単位を選択することにより,扱いやすい大きさになることを理解できるようにする必要がある。

 
 

 第3学年までに学習した長さ(mm,cm,m,km),かさ(mL,dL,L),重さ(g,kg,t)の単位について整理してまとめた表などから,それぞれに共通する関係を調べる。

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 その際,次のようなことを見いだすことができる。

・ 長さと重さの単位には,どちらも
  k(キロ)の付いた単位があること

・ 長さとかさの単位には,どちらも,
  m(ミリ)の付いた単位があること

・ 1km は1000mであり,
  1mの1000倍になっていること

・ 1kg は1000gであり,
  1gの1000倍になっていること

・ 1Lは1000mL であり,
  1mL の1000倍になっていること

・ 1mは1000mm であり,
  1mm の1000倍になっていること

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 このような活動を通して,単位の前に接頭語k(キロ)が付くと1000倍になることに気付いたり,それぞれが倍の関係にあることを図や文章でまとめたりして考察し,単位についての理解を深めることを大切にする。

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 なお,このように単位の関係を考えることは,今後,学習する様々な単位についても,主体的に考察し,単位の仕組みを考えることにつながっていく。

 例えば,メートル法の単位の仕組みについて学習したことを活用することで,新しい単位に出合ったときも類推して量の大きさを考えることができることにつながる。

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 日常生活の場面など児童の身の回りでは,様々な単位が用いられている。

 飲料などの量の単位としてミリグラム(r)やセンチリットル(cL)などが使われ,水道の使用量,タンクローリーの容量としてはキロリットル(kL)の単位が使われている。

 これらの単位は,メートル法に従って接頭語,m(ミリ),c(センチ),k(キロ)を付けて作られた単位である。身の回りからこれらの単位を見付けた児童は,どのような単位であるか,今までに学習した単位とどのような関係になっているのかを考えることができるようになる。

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 例えば,薬の箱に書かれた成分表に100rと見付けた場合,g(グラム)と書かれていることから重さの単位であることに気付き,m(ミリ)と書かれていることから,100rが1g(1000r)の1/10 の大きさであることを考え出すのである。

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 これまでに学習した単位との関係等について,児童の興味・関心に基づいて,日常生活などの中で自分で調べようとする態度が育成されることが大切である。

 
 
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