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(5) 角の大きさに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 角の大きさを回転の大きさとして捉えること。

(イ) 角の大きさの単位(度(°))について知り,角の大きさを測定すること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 図形の角の大きさに着目し,角の大きさを柔軟に表現したり,図形の考察に生かしたりすること。

 第2学年では直角の形について,また第3学年では二等辺三角形や正三角形の学習に関わって角の大きさが同じであることを指導してきている。

 第4学年では,角の大きさを回転の大きさとして捉え,角の大きさの単位「度(°)」を用いて角の大きさを測定するとともに,角の大きさの観点から,これまでに学習してきた図形の理解を一層深めることを主なねらいとしている。

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 第4学年の角の学習においては,図形を考察する要素の中でも,特に角の大きさに着目すると,図形間の関係が捉えやすくなるよさを理解し,積極的に図形の考察に活用する資質・能力が育成されることが大切である。

 
 

 角の大きさの理解においては,
 図形の辺の長さの大小と
 角の大きさの大小とを
 混同して捉えることがあるため,

 一つの頂点から出る2本の辺が作る形
 を角といい,
 頂点を中心にして
 1本の辺を回転させたとき,
 その回転の大きさを,
 角の大きさということ
 を理解することができるようにする
 ことが大切である。

 そして,
 角の大きさを,
 辺の開き具合として捉える
 ことができるようにする。

 
 

 第1学年から第3学年の「C測定」の領域の学習において考察した量と同様に,角の大きさを表す単位があることを理解し,角の大きさの単位である度(°)を用いて図形の角の大きさを測定できるようにする。

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 その際,直角の大きさが90度であることや,半回転した大きさが180度,1回転した大きさが360度であることなども取り扱い,図形の角の大きさの見当を付けながら測定する技能を養う。

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 また,
 分度器を用いて
 角の大きさを測定したり,
 必要な大きさの角を作ったりする
 際には,

 分度器の用い方に慣れるまで
 時間がかかることが考えられるため,
 図形の角の大きさを測定したり,
 示された角の大きさを
 作り確かめたりする経験
 を豊かにする。

 

 その際,
 角の大きさについての感覚を培う
 観点から,

 角の大きさの見当を付け,
 例えば,
 「90度より小さい。」,
 「180度より大きく270度より小さい。」
 など,
 直角の大きさを基準として
 角の大きさを判断できるようにする。

 
 

 第4学年では,直角の大きさが90度であることや一回転した角の大きさが360度であることを基に,角の大きさを柔軟に表現できるようにする。

 これは,210度の大きさの角を作図する際に,210度を「180度より 30度大きい角」や「360度より150度小さい大きさの角」と考えることである。

 第4学年においては,図形間の関係や大きさの判断をする際に,これまでに学習してきた辺の長さや構成要素の数だけでなく,図形の角の大きさに着目して,図形を多面的に考察できるようにする。

 これは,平行四辺形やひし形の向かい合う角の大きさが等しいことを見いだすことなどである。

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 第5学年の合同な図形や第6学年の拡大図・縮図,対称な図形の学習では,図形が「同じ」であることを角の大きさに着目して考察することがあるため,第4学年においては,単に角の大きさの測定や表現にとどまらず,角の大きさを根拠に的確に判断することができるようにすることが大切である。

 さらには,このような思考力,判断力,表現力が育成される学習を充実させることで,角の大きさについての感覚を培えるよう,測定の経験を豊かにすることが大切である。

 
 
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