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(3) 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の計算による求め方について理解すること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 図形を構成する要素などに着目して,基本図形の面積の求め方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導くこと。

 第5学年では,第4学年における長方形や正方形の面積の学習を踏まえ,直線で囲まれた基本的な図形の面積について,必要な部分の長さを測り,既習の長方形や正方形などの面積の求め方に帰着させ計算によって求めたり,新しい公式をつくり出し,それを用いて求めたりすることができるようにすることを主なねらいとしている。

 そこで,既習の考えや経験を基に面積の求め方を考えたり,公式をつくったりする過程を重視することが大切である。

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 三角形,平行四辺形,ひし形,台形というように,面積の計算による求め方を繰り返し考えることで,基本図形の面積の求め方を見いだすだけでなく,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式をつくりだしていく資質・能力の育成を目指すことが大切である。

 
 

 第5学年においては,三角形や平行四辺形,ひし形及び台形の面積について,図形の見方を働かせて,第4学年までに学習してきた長方形や正方形の面積の求め方に帰着し,計算によって求めることができることを理解することが大切である。

 そして,計算による求め方を通して公式にして,三角形や平行四辺形,ひし形及び台形の面積は公式で求められることを理解し,それらを公式を使って求められるようにする。

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 その際,三角形や平行四辺形の底辺や高さの関係の理解を確実にすることが必要である。

 等積変形といった図形の操作活動に伴って,底辺をどこにとるかで高さが決まることを理解させることが大切である。

 また,実際に底辺の取り方を変えて面積を求め,それぞれの結果を比べる活動を取り入れることから,底辺をどこにとっても面積は同じであることを実感を伴って理解できるようにする。

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 さらには,求積のためにどの部分の長さを測る必要があるかを考えることで,公式の理解を深め,活用できるようにすることも大切である。

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 例えば,右のような,多くの辺の長さが示されている場面において,平行四辺形の面積を求めようとするとき,必要な情報を自ら選び出し面積を求めるなどである。

 
 

 第5学年においては,基本図形の面積の求め方を,図形を構成する要素などに着目して,既習の求積可能な図形の面積の求め方を基に考えたり,説明したりすることが大切である。

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 特に,図形について,本学年において思考力,判断力,表現力等を発揮させる基となる数学的な見方・考え方を働かせることで,例えば次のような考えが導かれる。

@ 図形の一部を移動して,計算による求積が可能な図形に等積変形する考え

A 既習の計算による求積が可能な図形の半分の面積であるとみる考え

B 既習の計算による求積が可能な図形に分割する考え

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 基本図形の面積の求め方を考える中で,上記のような数学的な見方・考え方を働かせることによって,児童が自ら工夫して面積を求めることができるようにすることが大切である。

 さらには,図形について数学的な見方・考え方を働かせることで,三角形などを組み合わせた形や一般の四角形などの面積の求め方を考え,測定できるようにするといった発展的に考察する態度を養うことも大切である。

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 例えば平行四辺形の面積を求めることについては,(あ)のような高さが図形の内部にある平行四辺形を長方形に等積変形して面積を求めるだけでなく,(い)のような高さが図形の内部にない平行四辺形の面積を求める場面においても,図形の見方を活用して考え,説明することが大切である。

 ここでは,等積変形で(う)のように長方形に変形することや,(え)や(お)のように,(あ)で学習して求めることができるようになった平行四辺形に帰着させて面積を求めることを説明することが考えられる。

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 また,台形の面積を求めるとき,例えば下の図のようにして既習事項の平行四辺形や三角形などの面積の公式を活用することも大切である。

 (か)では,具体物を用いて「台形を対角線で切って,三角形二つに分割してそれぞれの面積を求めて計算した。」と説明することができる。

 また,(き)では,「合同な台形をもう一つもってきて,台形二つを組み合わせて平行四辺形にすると,このときの底辺は(上底)+(下底)になる。」などと説明することができる。

 さらには,(く)や(け)では,「台形の一部を移動したら,今までに学習した図形にすることができたので,その図形の面積の公式を用いて計算できた。」などと説明することができる。

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 このような活動を続けて行うことで,例えば,(さ)のような三角形の高さを二等分して等積変形し平行四辺形にして面積を求めようとする考えは,(し)のような特殊な三角形の場合や,(す)のような台形の場合でも活用できる考え方であることが分かる。

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 このように図形の面積の学習では,既習の面積の求め方の考えを活用することを繰り返すことにより,そのよさを実感することができるようにする。

 
 

 ある基本図形の面積の求め方を見いだしたら,もとの図形のどこの長さに着目すると面積を求めることができるのか,振り返って考えさせることが大切である。

 さらに,いつでも同じ要素などに着目することで,面積を求めることができるかどうかを確かめることによって,公式として導いていくようにする。

長方形に変形して面積を求める

長方形の横と縦が平行四辺形の
どこの長さに当たるのか調べる

 
 
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