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(2) 測定した結果を平均する方法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 平均の意味について理解すること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 概括的に捉えることに着目し,測定した結果を平均する方法について考察し,それを学習や日常生活に生かすこと。

 測定について,対象の大きさや測る目的によって適当な計器や単位を選ぶこと,目盛りの読み,測定値の表し方などの基本的な事柄は,第4学年までに指導してきている。

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 第5学年では,測定した結果について,平均を用いて,それを妥当な数値として示すことができるようにすることをねらいとしている。

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 測定する場合に,概測によりおよその大きさを捉えておくことは,測定に対する見通しを立て,測定の結果の誤りを少なくする上でも,適当な計器や単位を選択する上でも必要なことである。

 計器の目盛りを読み取って測定値を出す場合には,その目盛りが最小目盛りのどれに一番近いかによって末位を丸めたり,最小目盛りの間を目分量で10等分などして末位を決めることになり,その値が近似値になることを指導する。

 
 

 平均については児童が形式的に計算できればよいというのではなく,その意味を理解することが必要である。

 測定した結果を平均する方法については,多いところから少ないところへ移動しならすという方法や,全てを足し合わせたのち等分するという方法が考えられるが,それらの方法と平均の意味を関連させて理解できるようにする。

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 また,測定には必ず誤差が伴うことに気付かせ,それを考慮に入れた測定値の平均についても指導する。

 一般に,一つのものの測定値として幾つかの数量があったとき,それらを同じ大きさの数量にならすことでより妥当な数値が得られる場合がある。

 そこで,測定値を平均する考えを用いることを指導する。測定値を平均するのは,測定する対象がもつ真の値に近い値を得るためである。

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 例えば,ある三角形の周りの長さを調べるために,何人かの児童が三つの辺の長さを測るとする。

 すると,1oより細かくは物差しで測れないので誤差が生じることがある。

 そこで,何人かの児童が調べた結果を平均することで,真に近い値を得ようとする。

 また,歩測によってある長さを調べる場合,その処理方法としては,何度か往復して歩数を何回か測り,これを平均したものが用いられる。

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 その際,飛び離れた値や,予想外の値があった場合にそのわけを調べさせ,場合によっては,それらを除いて平均を求めたりすることなども考えられるようにする。

 測定値を平均することは,日常生活だけでなく理科などでも活用して用いられるようにする。

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 なお,測定値を使って計算するときには,答えの数の桁数を,測定値の桁数より多く出してもあまり意味がないことから,元の測定値の桁数程度にとどめるのが普通である。

 
 

 何らかの対象を測定した際に,適当な計器を用いて正しく測った場合でも測るたびに測定値が若干異なっていたり,人によって値が異なったりすることがある。

 それらの値は真の値に近いものが得られていることは予想でき,また,多く得られている値がおそらく真の値に近いだろうということも予想できるはずである。

 そこから,得られた測定値を平均してみるということをすれば,集めた測定値のほとんどを生かすことができ,より信頼できる値を求めることができる。

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 測定した結果を平均する方法については,多いところから少ないところへ移動させならすという方法や,全てを足し合わせたのち等分するという方法が考えられ,これらの方法について考察し,平均の考えを理科の学習をはじめ,日常生活に生かすことができるようにする。

 
 
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