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(3) 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 円の面積の計算による求め方について理解すること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 図形を構成する要素などに着目し,基本図形の面積の求め方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導くこと。

(内容の取扱い)

(3) 内容の「B図形」の(3)のアの(ア)については,円周率は3.14 を用いるものとする。

 第5学年までに,三角形や四角形など直線で囲まれた図形の面積の求め方について指導している。

 また円については,円周の長さが(直径)×(円周率)で求められることを指導している。

 第6学年では,曲線で囲まれた図形の面積を工夫して測定する能力を伸ばすとともに,円の面積を求める公式をつくる活動を通して,算数として簡潔かつ的確な表現へと高める能力を一層伸ばすことを主なねらいとしている。

 
 

 円の面積は,(半径)×(半径)×(円周率)で求めることができることを理解し,円の面積を求めることができるようにする。

 ただ,単に公式を使いこなすだけでなく,第5学年までに学習してきた基本図形の面積の求め方に帰着することで,円の面積は計算によって求めることができることを理解できるようにすることが大切である。

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 また,公式が半径を一辺とする正方形の面積の 3.14倍を意味していることを,図と関連付けて理解できるようにする。

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 なお,「内容の取扱い」の(3)では,
 「円周率は 3.14 を用いるものとする
 と示しており,
 円の面積を求める際には,
 円周率は 3.14 を用いて処理すること
 について指導する。

 
 

 円の面積の求め方を考える際には,面積の大きさの見通しをもつことが大切である。

 例えば,円に内接したり外接したりする正方形を基にして,円の面積は,一辺の長さが半径に等しい正方形の面積の2倍と4倍の間にあると捉えることがこれに当たる。

 また,方眼紙に円を作図して,円の内側にある正方形の個数を数えて,およその面積を捉えることもこれに当たる。

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 その上で,円の面積の求め方を,図形を構成する要素などに着目して,既習の求積可能な図形の面積の求め方を基に考えたり,説明したりする。

 特に,このときに,数学的な見方・考え方を働かせることで,図形の一部を変形したり移動したりして,計算による求積が可能な図形に等積変形する考えが導かれる。

 円の面積の求め方を考察する中で,上記のように数学的な見方・考え方を働かせることによって,児童が自ら工夫して面積を求めることができるようにすることが大切である。

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 例えば半径10pの円の面積については,円を中心から等分して並べ替え,平行四辺形に近い形を作り,円の面積を求める方法が考えられる。

 この場合,等分を細かくしていけば,平行四辺形に近い形の底辺は円周の長さの半分に,高さは元の円の半径に近づくことから,円の面積は次のような式で表せる。

  (円の面積)
 =(平行四辺形の面積)
 =(底辺)×(高さ)
 =(円周の長さの半分)×(半径
   10×2×3.14÷2    10

   10×2×3.14÷2×10
  =314(cm2

 
 

 円の面積の求め方を見いだしたら,式を読んで,もとの円のどこの長さに着目すると面積を求めることができるのか,振り返って考えることが大切である。

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 例えば,上の例では
 10×2×3.14÷2×10
 という式で
 円の面積を求めることができたこと
 を基に考える。

 この式にある二つの10 は
 もともと円の半径を意味していたこと
 を振り返り,次の公式に導いていく。

 (円の面積)
  =(半径)×(半径)×(円周率)

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 なおこの公式を読むことで,
 円の面積が
 半径を一辺とする正方形
 の面積の3.14倍であること
 も気付かせることができる。

 
 
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