算数科の指導においては,コンピュータや電卓などを用いて,データなどの情報を処理したり分類整理したり,表やグラフを用いて表現したり,図形を動的に変化させたり,数理的な実験をしたりするなど,それらがもつ機能を効果的に活用することによって,数量や図形についての感覚を豊かにしたり,表現する力を高めたりするような指導の工夫が考えられる。
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特に,今回の改訂では,統計的な内容を各学年で充実させているが,データを表に整理した後,いろいろなグラフに表すことがコンピュータなどを用いると簡単にできる。
目的に応じて適切にグラフの種類や表現を変えることで,結論や主張点がより明確になる。
このようなコンピュータなどを用いてグラフを作成するよさに触れることも大切である。
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また,身近なものにコンピュータが内蔵され,プログラミングの働きにより生活の便利さや豊かさがもたらされていることについて理解し,そうしたプログラミングを,自分の意図した活動に活用していけるようにすることもますます重要になっている。
将来どのような職業に就くとしても,時代を超えて普遍的に求められる「プログラミング的思考」などを育むプログラミング教育の実施を,子供たちの生活や教科等の学習と関連付けつつ,発達の段階に応じて位置付けていくことが求められる。
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その際,小・中・高等学校を見通した学びの過程の中で,「主体的・対話的で深い学び」の実現に資するプログラミング教育とすることが重要である。
小学校においては,教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながらプログラミング教育を行う単元を位置付け,身近な生活でコンピュータが活用されていることや,問題の解決には必要な手順があることに気付くことを重視する。
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算数科において,プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための活動を行う場合には,算数科の目標を踏まえ,数学的な思考力・判断力・表現力等を身に付ける活動の中で行うものとする。
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算数科においては,問題解決したのち,問題解決の仕方を振り返り,問題解決の方法をより簡潔・明瞭・的確なものに高めたり,それを手順としてまとめたりするという学習活動が多く行われる。
例えば,整数などの計算の仕方を考えた後,計算の仕方を簡潔・明瞭・的確なものとしていく中で,筆算という形式で表し,計算の仕方を筆算の手順としてまとめていく。
筆算として計算の仕方をまとめた後は,手順通りに間違いなく筆算を行うことが大切になる。これは技能である。
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このように算数科の学習は,問題の解決には必要な手順があることに気付くことに資するものである。
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「プログラミング的思考」とは,自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組み合わせが必要か,どのように改善していけばより意図した活動に近づくのかということを論理的に考えていく力の一つである。
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算数科においては,「例えば第2の各学年の内容の〔第5学年〕の「B図形」の(1)における正多角形の作図を行う学習に関連して,正確な繰り返し作業を行う必要があり,更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などで取り扱うこと。」と示されている。
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正多角形の学習では「正多角形は円に内接すること」を基に定規とコンパスなどを用いてかくことを指導する。
コンピュータを用いると,「正多角形は全ての辺の長さや角の大きさが等しいこと」を基に簡単にかつ正確にかくことができる。
また,辺の長さや角の大きさを適切に変えれば,ほかの正多角形もすぐにかくことができる。
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辺の長さ分だけ線を引き,角の大きさ分向きを変え,これらのことを繰り返すことで正多角形がかける。
正方形は90度向きを変えればよいが,正六角形は何度にすればいいのかを考えていく。
線の動きを示す指示として「線を引く」「○度向きを変える」「繰り返す」などの最小限の指示を指定することで,正多角形をかくことができるのである。
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算数科ではこのような活動を行うことで,問題の解決には必要な手順があることと,正確な繰り返しが必要な作業をする際にコンピュータを用いるとよいことに気付かせることができる。 |