@ 平成20年改訂の学習指導要領の成果と課題
PISA2015では,科学的リテラシーの平均得点は国際的に見ると高く,TIMSS2015では,1995年以降の調査において最も良好な結果になっているといった成果が見られる。
また,TIMSS2015では,理科を学ぶことに対する関心・意欲や意義・有用性に対する認識について改善が見られる一方で,諸外国と比べると肯定的な回答の割合が低い状況にあることや,「観察・実験の結果などを整理・分析した上で,解釈・考察し,説明すること」などの資質・能力に課題が見られる。
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A 課題を踏まえた理科の目標の在り方
課題に適切に対応できるよう,小学校,中学校,高等学校それぞれの学校段階において,理科の学習を通じて育成を目指す資質・能力の全体像を明確化するとともに,資質・能力を育むために必要な学びの過程についての考え方を示すこと等を通じて,理科教育の改善・充実を図っていくことが必要である。
そのため,学校段階ごとの理科の教科目標については,育成を目指す資質・能力である「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力等」,「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱に沿った整理を踏まえて示すことが求められる。
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B 理科における「見方・考え方」
理科においては,従来,「科学的な見方や考え方」を育成することを重要な目標として位置付け,資質・能力を包括するものとして示してきたところであるが,今回の改訂では,資質・能力をより具体的なものとして示し,「見方・考え方」は資質・能力を育成する過程で働く,物事を捉える視点や考え方として全教科等を通して整理されたことを踏まえ,「理科の見方・考え方」を改めて検討することが必要である。 |