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 理科では,様々な自然の事物・現象を対象にして学習を行う。そして,理科の学習を通して,自然の事物・現象についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにするとともに,問題解決の力や自然を愛する心情,主体的に問題解決しようとする態度を養うことを目標としている。自然の事物・現象を対象として,このような目標を実現するために,対象の特性や児童の構築する考えなどに基づいて,次のような内容の区分に整理した。
 
 

 身近な自然の事物・現象の中には,時間,空間の尺度の小さい範囲内で直接実験を行うことにより,対象の特徴や変化に伴う現象や働きを,何度も人為的に再現させて調べることができやすいという特性をもっているものがある。児童は,このような特性をもった対象に主体的,計画的に操作や制御を通して働きかけ,追究することにより,対象の性質や働き,規則性などについての考えを構築することができる。主にこのような対象の特性や児童の構築する考えなどに対応した学習の内容区分が「A物質・エネルギー」である。

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 「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,実験の結果から得られた性質や働き,規則性などを活用したものづくりを充実させるとともに,「エネルギー」,「粒子」といった科学の基本的な概念等を柱として,内容の系統性が図られていることに留意する必要がある。

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 「エネルギー」といった科学の基本的な概念等は,更に「エネルギーの捉え方」,「エネルギーの変換と保存」,「エネルギー資源の有効利用」に分けて考えられる。「粒子」といった科学の基本的な概念等は,更に「粒子の存在」,「粒子の結合」,「粒子の保存性」,「粒子のもつエネルギー」に分けて考えられる。

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 なお,「エネルギー」,「粒子」といった科学の基本的な概念等は,知識及び技能の確実な定着を図る観点から,児童の発達の段階を踏まえ,小学校,中学校,高等学校を通じた理科の内容の構造化を図るために設けられた柱である。小学校及び中学校を通した「エネルギー」,「粒子」を柱とした内容の構成を図1(22,23ページ)に示す。

 
 

 自然の事物・現象の中には,生物のように環境との関わりの中で生命現象を維持していたり,地層や天体などのように時間,空間の尺度が大きいという特性をもったりしているものがある。児童は,このような特性をもった対象に主体的,計画的に諸感覚を通して働きかけ,追究することにより,対象の成長や働き,環境との関わりなどについての考えを構築することができる。主にこのような対象の特性や児童の構築する考えなどに対応した学習の内容区分が「B生命・地球」である。

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 「B生命・地球」の指導に当たっては,自然を愛する心情を養うとともに,「生命」,「地球」といった科学の基本的な概念等を柱として,内容の系統性が図られていることに留意する必要がある。

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 「生命」といった科学の基本的な概念等は,更に「生物の構造と機能」,「生命の連続性」,「生物と環境の関わり」に分けて考えられる。「地球」といった科学の基本的な概念等は,更に「地球の内部と地表面の変動」,「地球の大気と水の循環」,「地球と天体の運動」に分けて考えられる。

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 なお,「生命」,「地球」といった科学の基本的な概念等は,知識及び技能の確実な定着を図る観点から,児童の発達の段階を踏まえ,小学校,中学校,高等学校を通じた理科の内容の構造化を図るために設けられた柱である。

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 小学校及び中学校を通した「生命」,「地球」を柱とした内容の構成を図2(24,25ページ)に示す。

 
 
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