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 金属,水及び空気の性質について,体積や状態の変化,熱の伝わり方に着目して,それらと温度の変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 金属,水及び空気は,温めたり冷やしたりすると,それらの体積が変わるが,その程度には違いがあること。

(イ) 金属は熱せられた部分から順に温まるが,水や空気は熱せられた部分が移動して全体が温まること。

(ウ) 水は,温度によって水蒸気や氷に変わること。

 また,水が氷になると体積が増えること。

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イ 金属,水及び空気の性質について追究する中で,既習の内容や生活経験を基に,金属,水及び空気の温度を変化させたときの体積や状態の変化,熱の伝わり方について,根拠のある予想や仮説を発想し,表現すること。

 本内容は,「粒子」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「粒子のもつエネルギー」に関わるものであり,中学校第1分野「(2)ア(ウ)状態変化」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,体積や状態の変化,熱の伝わり方に着目して,それらと温度の変化とを関係付けて,金属,水及び空気の性質を調べる活動を通して,それらについての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主に既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 金属,水及び空気を温めたり,冷やしたりしたときの体積の変化に着目して,それらと温度の変化とを関係付けて,金属,水及び空気の温度変化に伴う体積の変化を調べる。

 これらの活動を通して,金属,水及び空気の性質について,既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想し,表現するとともに,金属,水及び空気は,温めたり冷やしたりすると,それらの体積は変わるが,その程度には違いがあること,これらの中では空気の温度による体積の変化が最も大きいことを捉えるようにする。

 
 

(イ) 金属,水及び空気を熱したときの熱の伝わり方に着目して,それらと温度の変化とを関係付けて,金属,水及び空気の温まり方を調べる。

 これらの活動を通して,金属,水及び空気の性質について,既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想し,表現するとともに,金属は熱せられた部分から順に温まっていくこと,水や空気は熱を加えられた部分が上方に移動して全体が温まっていくことを捉えるようにする。

 また,物によってその温まり方には違いがあることを捉えるようにする。

 
 

(ウ) 水の状態に着目して,温度の変化と関係付けて,水の状態の変化を調べる。

 これらの活動を通して,温度を変化させたときの水の体積や状態の変化について,既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想し,表現するとともに,水は,温度によって水蒸気や氷に変わることを捉えるようにする。

 また,水が氷になると体積が増えることを捉えるようにする。

 水を熱していき,100℃近くになると沸騰した水の中から盛んに泡が出てくるが,この泡を水の中から出てきた空気であると考えている児童がいる。

 この泡を集めて冷やすと水になることから,この泡は空気ではなく水が変化したものであることに気付くようにする。

 水が凍って氷になることを捉える際には,寒剤を使って水の温度を0℃以下に下げて調べることが考えられる。

 これらのことから,水は温度によって液体,気体,又は固体に状態が変化するということを捉えるようにする。

 
 

 ここでの指導に当たっては,水の温度の変化を捉える際に,実験の結果をグラフで表現し読み取ったり,状態が変化すると体積も変化することを図や絵を用いて表現したりするなど,金属,水及び空気の性質について考えたり,説明したりする活動の充実を図るようにする。

 さらに,水は100℃より低い温度でも蒸発していることを捉えるようにするために,第4学年「B(4)天気の様子」における自然界での水の状態変化の学習との関連を図るようにする。

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 日常生活との関連として,鉄道のレールの継ぎ目,道路橋の伸縮装置,冷暖房時の空気循環の効果などを取り上げることが考えられる。

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 なお,火を使用して実験したり,熱した湯の様子を観察したりする際に火傷などの危険を伴うので,保護眼鏡を着用することや使用前に器具の点検を行うこと,加熱器具などの適切な操作を確認することなど,安全に配慮するように指導する。

 
 
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