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 物の溶け方について,溶ける量や様子に着目して,水の温度や量などの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わらないこと。

(イ) 物が水に溶ける量には,限度があること。

(ウ) 物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違うこと。

 また,この性質を利用して,溶けている物を取り出すことができること。

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イ 物の溶け方について追究する中で,物の溶け方の規則性についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現すること。

(内容の取扱い)

(2) 内容の「A物質・エネルギー」の(1)については,水溶液の中では,溶けている物が均一に広がることにも触れること。

 本内容は,第3学年「A(1)物と重さ」の学習を踏まえて,「粒子」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「粒子の保存性」に関わるものであり,第6学年「A(2)水溶液の性質」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,物が水に溶ける量や様子に着目して,水の温度や量などの条件を制御しながら,物の溶け方の規則性を調べる活動を通して,それらについての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主に予想や仮説を基に,解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 物が水に溶ける量や全体の量に着目して,溶かす前の物の重さに水の重さを加えた全体の重さと,溶かした後の水溶液の重さの変化を比較しながら調べる。

 これらの活動を通して,溶けた物の行方についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,物が水に溶けてもなくならず,水と物とを合わせた重さは変わらないことを捉えるようにする。

(イ) 物が水に溶ける量に着目して,水の温度や量といった条件を制御しながら,水に物を溶かしたときの,物の溶ける量を調べる。

 これらの活動を通して,物の溶け方のきまりについての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,物が一定量の水に溶ける量には限度があることを捉えるようにする。

 
 

(ウ) 物が水に溶ける量に着目して,水の温度や量といった条件を制御しながら,物の溶ける量やその変化を調べる。

 これらの活動を通して,物の溶け方のきまりについての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,一定量の水を加熱したときの物の溶ける様子から,水溶液の温度が上昇すると,溶ける量も増えることや,高い温度で物を溶かした水溶液を冷やすと,溶けた物が出てくることを捉えるようにする。

 また,水の温度を一定にして,水の量を増やしたときの物の溶ける量の変化から,水の量が増えると溶ける量も増えることや,溶けた物は水溶液の中に存在することから,水溶液の水を蒸発させると,溶けた物が出てくることなどを捉えるようにする。

 さらに,それらの実験を複数の物を使って行い,物が水に溶ける量やその変化は,溶かす物によって違うことを捉えるようにする。

 
 

 ここで扱う対象としては,水の温度や溶かす物の違いによって,溶ける量の違いが顕著に観察できるように,水の温度によって溶ける量の変化が大きい物と変化が小さい物を用いることが考えられる。

 また,加熱によって分解しにくく,安全性の高い物を扱うようにする。

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 ここでの指導に当たっては,例えば,有色の物を溶かしたとき,色が水溶液全体に均一に広がることから,溶けている物が均一に広がることにも触れるようにする。

 また,物が水に溶けても,水と物を合わせた重さは変わらないことについて,定量的な実験を通して捉えるようにすることが考えられる。

 さらに,物が溶けるということを,図や絵などを用いて表現したり,「水溶液」という言葉を使用して説明したりするなど,物の溶け方について考えたり,説明したりする活動の充実を図るようにする。

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 日常生活との関連として,水や湯に物を溶かした経験を想起させることが考えられる。

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 なお,実験を行う際には,メスシリンダーや電子てんびん,ろ過器具,加熱器具,温度計などの器具の適切な操作について,安全に配慮するように指導する。

 
 
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