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 植物の育ち方について,発芽,成長及び結実の様子に着目して,それらに関わる条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。

(イ) 植物の発芽には,水,空気及び温度が関係していること。

(ウ) 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。

(エ) 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのもとが実になり,実の中に種子ができること。

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イ 植物の育ち方について追究する中で,植物の発芽,成長及び結実とそれらに関わる条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現すること。

(内容の取扱い)

(3) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)の「種子の中の養分」については,でんぷんを扱うこと。

イ アの(エ)については,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うこと。

 また,受粉については,風や昆虫などが関係していることにも触れること。

 本内容は,第4学年「B(2)季節と生物」の学習を踏まえて,「生命」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「生命の連続性」に関わるものであり,中学校第2分野「(1)ア(イ)生物の体の共通点と相違点」,「(5)ア(ア)生物の成長と殖え方」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,発芽,成長及び結実の様子に着目して,それらに関わる条件を制御しながら,植物の育ち方を調べることを通して,植物の発芽,成長及び結実とその条件についての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主に予想や仮説を基に,解決の方法を発想する力や生命を尊重する態度,主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 適当な温度下で種子に水を与えると,種子は水を吸い,根や芽を出し,発芽することから,発芽と種子の中の養分との関係に着目して,発芽前後の種子の養分の存在を比較しながら調べる。

 これらの活動を通して,発芽と種子の養分との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,植物は,種子の中の養分を基にして発芽することを捉えるようにする。

 種子が発芽するための養分についてはでんぷんを扱う。

 その際,希釈したヨウ素液などを使用して,種子の中のでんぷんの存在を調べるなどの方法が考えられる。

(イ) 身近な植物の種子の発芽の様子に着目して,例えば,水や空気の条件を一定にして,温度の条件を変えるなど,水,空気及び温度といった条件を制御しながら,種子が発芽するために必要な環境条件を調べる。

 これらの活動を通して,発芽の条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,発芽には水,空気及び適当な温度が関係していることを捉えるようにする。

 
 

(ウ) 身近な植物の成長の様子に着目して,日光や肥料などの環境条件が適した場合とそうでない場合を設定するなど,条件を制御しながら植物が成長するのに必要な環境条件を調べる。

 これらの活動を通して,植物の成長の条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,植物の成長には,日光や肥料などが関係していることを捉えるようにする。

(エ) 身近な植物の花のつくりや結実の様子に着目して,おしべやめしべなどの花のつくりを調べたり,顕微鏡を使って花粉を観察したり,受粉の有無といった条件を制御しながら実のでき方を調べたりする。

 これらの活動を通して,花のつくりや結実の条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのもとが実になり,実の中に種子ができることを捉えるようにする。

 また,ここで扱った植物が,自然の中では,風や昆虫などによって花粉が運ばれて受粉し結実することにも触れるようにする。

 
 

 ここで扱う対象としては,(ア),(イ)では,種子が大きく,観察しやすいものを取り上げる。

 また,(ウ)では,生命尊重の立場から,成長との関係が確認できたところで実験を終了し,花壇などに植え替えるなどして,実験に利用した植物を枯らさないように配慮するようにする。

 さらに,(ア),(イ),(ウ)では,養分などの要因によって発芽や成長に関わる環境条件の制御が困難になることがないようにするため,養分の含まれていない保水性のある基質を使用することが考えられる。

 (エ)では,花のつくりについては,おしべ,めしべ,がく及び花びらの存在を確かめるようにする。

 受粉と結実との関係を調べるためには,おばな,めばなのある植物を扱って,実験を行うことが考えられる。

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 ここでの指導に当たっては,発芽の条件と成長の条件について混同しやすいので,発芽と成長の意味を観察,実験を通して捉えるとともに,条件については,変える条件と変えない条件を区別し,その操作と関連付けてその意味を捉えるようにする。

 また,発芽や成長の条件について調べる際には,観察,実験の方法や結果を表に整理するなど,植物の育ち方について考えたり,説明したりする活動の充実を図るようにする。

 花粉の観察においては,顕微鏡を適切に操作して,花粉の特徴を捉えることが考えられる。

 
 
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