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 流れる水の働きと土地の変化について,水の速さや量に着目して,それらの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆積させたりする働きがあること。

(イ) 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあること。

(ウ) 雨の降り方によって,流れる水の速さや量は変わり,増水により土地の様子が大きく変化する場合があること。

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イ 流れる水の働きについて追究する中で,流れる水の働きと土地の変化との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現すること。

(内容の取扱い)

(5) 内容の「B生命・地球」の(3)のアの(ウ)については,自然災害についても触れること。

 本内容は,第4学年「B(3)雨水の行方と地面の様子」の学習を踏まえて,「地球」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「地球の内部と地表面の変動」,「地球の大気と水の循環」に関わるものであり,第6学年「B(4)土地のつくりと変化」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,流れる水の速さや量に着目して,それらの条件を制御しながら,流れる水の働きと土地の変化を調べる活動を通して,それらについての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主に予想や仮説を基に,解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 川を流れる水の速さや量に着目して,それらと土地の変化とを関係付けて,流れる水の働きを調べる。

 これらの活動を通して,流れる水の働きと土地の変化との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆積させたりする働きがあることを捉えるようにする。

(イ) 川を流れる水の速さや量に着目して,それらと川原の石の大きさや形とを関係付けて,川の様子の違いを調べる。

 これらの活動を通して,石の大きさや形と流れる水の働きとの関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあることを捉えるようにする。

 また,上流から下流まで,川を全体として捉え,上流では侵食の働きがよく見られ,下流では堆積の働きがよく見られることなど,流れる水の働きの違いによる川の様子の違いを捉えるようにする。

(ウ) 雨が短時間に多量に降ったり,長時間降り続いたりしたときの川を流れる水の速さや量に着目して,水の速さや量といった条件を制御しながら,増水による土地の変化の様子を調べる。

 これらの活動を通して,水の速さや量の変化に伴う流れる水の働きの変化についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するとともに,雨の降り方によって,水の速さや量が増し,地面を大きく侵食したり,石や土を多量に運搬したり堆積させたりして,土地の様子が大きく変化する場合があることを捉えるようにする。

 
 

 ここでの指導に当たっては,野外での直接観察のほか,適宜,人工の流れをつくったモデル実験を取り入れて,流れる水の速さや量を変え,土地の変化の様子を調べることで,流れる水の働きについて捉えるようにすることが考えられる。

 また,流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆積させたりする働きがあることや増水により土地の様子が大きく変化することを捉えるために,第4学年「B(3)雨水の行方と地面の様子」の学習との関連を図るようにする。

 さらに,観察,実験の結果と実際の川の様子とを関係付けて捉えたり,長雨や集中豪雨により増水した川の様子を捉えたりするために,映像,図書などの資料を活用することが考えられる。

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 日常生活との関連としては,長雨や集中豪雨がもたらす川の増水による自然災害に触れるようにする。

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 なお,川の現地学習に当たっては,気象情報に注意するとともに,事故防止に配慮するように指導する。

 
 
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