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 水溶液について,溶けている物に着目して,それらによる水溶液の性質や働きの違いを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。

(イ) 水溶液には,気体が溶けているものがあること。

(ウ) 水溶液には,金属を変化させるものがあること。

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イ 水溶液の性質や働きについて追究する中で,溶けているものによる性質や働きの違いについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

 本内容は,第5学年「A(1)物の溶け方」の学習を踏まえて,「粒子」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「粒子の結合」,「粒子の保存性」に関わるものであり,中学校第1分野「(2)ア(イ)水溶液」,「(4)ア(イ)化学変化」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,水に溶けている物に着目して,それらによる水溶液の性質や働きの違いを多面的に調べる活動を通して,水溶液の性質や働きについての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主により妥当な考えをつくりだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 水に溶けている物に着目して,水溶液の違いを多面的に調べる。

 これらの活動を通して,水溶液の性質について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあることを捉えるようにする。

 その際,水溶液には,色やにおいなどの異なるものがあることや,同じように無色透明な水溶液でも,溶けている物を取り出すと違った物が出てくることがあることなどから,水溶液の性質の違いを捉えるようにする。

 また,リトマス紙などを用いて調べることにより,酸性,アルカリ性,中性の三つの性質にまとめられることを捉えるようにする。

 
 

(イ) 水に溶けている物に着目して,水溶液の性質や働きを多面的に調べる。

 これらの活動を通して,気体が溶けている水溶液の性質や働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,水溶液には気体が溶けているものがあることを捉えるようにする。

 その際,水溶液を振り動かしたり温めたりすると,気体を発生するものがあることや,発生した気体を調べると,その気体特有の性質を示すものがあること,発生した気体は再び水に溶けることを捉えるようにする。

 さらに,水溶液を加熱すると,固体が溶けている場合と違って,何も残らないものがあることから,溶けていた気体が空気中に出ていったことを捉えるようにする。

 
 

(ウ) 水溶液に溶かした金属や水溶液から取り出した物に着目して,水溶液の性質や働きの違いを多面的に調べる。

 これらの活動を通して,水溶液の性質や働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,水溶液には,金属を入れると金属が溶けて気体を発生させたり,金属の表面の様子を変化させたりするものがあることを捉えるようにする。

 その際,金属が溶けた水溶液から溶けている物を取り出して調べると,元の金属とは違う新しい物ができていることがあることを実験を通して捉えるようにする。

 
 

 ここで扱う対象としては,水溶液については,例えば,炭酸水,薄い塩酸,薄い水酸化ナトリウム水溶液などが考えられる。

 (ウ)については,例えば,鉄やアルミニウムなど,生活の中でよく見かけるもので性質やその変化が捉えやすい金属を使用することが考えられる。

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 ここでの指導に当たっては,水溶液の性質や金属の質的変化について,多面的に調べた結果を表に整理したり,そこから考えたことを図や絵,文を用いて表現したりするなど,水溶液の性質について考えたり,説明したりする活動の充実を図るようにする。

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 日常生活との関連として,身の回りで使用されている酸性やアルカリ性の水溶液を調べるといった活動が考えられる。

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 なお,実験に使用する薬品については,その危険性や扱い方について十分指導するとともに,保護眼鏡を使用するなど,安全に配慮するように指導する。

 また,事故のないように配慮し管理するとともに,使用した廃液などについても,環境に配慮し適切に処理する必要があることを指導する。

 
 
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