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 てこの規則性について,力を加える位置や力の大きさに着目して,てこの働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があること。

(イ) 身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること。

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イ てこの規則性について追究する中で,力を加える位置や力の大きさとてこの働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

 本内容は,第5学年「A(2)振り子の運動」の学習を踏まえて,「エネルギー」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「エネルギーの捉え方」に関わるものであり,中学校第1分野「(1)ア(イ)力の働き」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,加える力の位置や大きさに着目して,これらの条件とてこの働きとの関係を多面的に調べる活動を通して,てこの規則性についての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主により妥当な考えをつくりだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) てこを働かせたときの,力を加える位置や力の大きさに着目して,てこのつり合いの条件を制御しながら調べる。

 これらの活動を通して,力を加える位置や力の大きさとてこを傾ける働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があることを捉えるようにする。

 その際,1カ所で支えて水平になった棒の支点から左右に等距離の位置に物をつり下げ,両側の物の重さが等しいとき,棒が水平になってつり合うことも捉えるようにする。

 
 

(イ) 身の回りの様々な道具で,力を加える位置や力の大きさに着目して,てこの規則性と道具の仕組みや働きとの関係を多面的に調べる。

 これらの活動を通して,てこの規則性について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,身の回りには,てこの規則性を利用した道具があり,てこの規則性が日常生活の様々な場面で活用されていることを捉えるようにする。

 
 

 ここで扱う対象としては,(ア)については,てこ実験器,(イ)については,ペンチ,釘抜き,空き缶つぶし,トングなどが考えられる。

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 ここでの指導に当たっては,
 支点からの距離とおもりの重さ
 との関係を
 表などに整理するなど,
 てこの規則性について考えたり,
 説明したりする活動
 の充実を図り,

 これらの活動を通して,
 てこがつり合っている場合は,

 「左側の
  (力点にかかるおもりの重さ)
  ×(支点から力点までの距離)

  =右側の
  (力点にかかるおもりの重さ)
  ×(支点から力点までの距離)」

 という関係式が成立すること
 を捉えるようにする。

 

 このことから,
 てこを傾ける働きの大きさが,
  (力点にかかるおもりの重さ)
 ×(支点から力点までの距離)
 で決まり,
 両側のてこを傾ける働きの大きさが
 等しいときにつり合う
 というてこの規則性
 を捉えるようにする。

 その際,
 算数科の反比例の学習と
 関連を図ることが考えられる。

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 日常生活との関連として,てこの規則性が利用されている様々な道具を調べる際には,「支点」,「力点」,「作用点」等の言葉を用いて説明したり,どのような便利さが得られるかについて話し合ったりするなど,道具の効果とてこの規則性とを関係付けて考えられるようにする。

 
 
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