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小学校 学習指導要領 【解説】 |
理科編 |
第3章 各学年の目標及び内容 |
第4節 第6学年の目標及び内容 |
2 第6学年の内容 |
B 生命・地球 |
(1) 人の体のつくりと働き |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
人や他の動物について,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 -------------------------------- ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。 (ア) 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されていること。 (イ) 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されなかった物は排出されること。 (ウ) 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素などを運んでいること。 (エ) 体内には,生命活動を維持するための様々な臓器があること。 -------------------------------- イ 人や他の動物の体のつくりと働きについて追究する中で,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。 |
(内容の取扱い) (3) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ウ)については,心臓の拍動と脈拍とが関係することにも触れること。 イ アの(エ)については,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸,肝臓,腎臓,心臓を扱うこと。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
本内容は,第4学年「B(1)人の体のつくりと運動」の学習を踏まえて,「生命」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「生物の構造と機能」に関わるものであり,中学校第2分野「(3)ア(ウ)動物の体のつくりと働き」の学習につながるものである。 -------------------------------- ここでは,児童が,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して,人や他の動物の体のつくりと働きについての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主により妥当な考えをつくりだす力や生命を尊重する態度,主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。 |
(ア) 人や他の動物の呼吸の働きに着目して,吸気と呼気の成分などを基に,肺を通して血液中に酸素を取り入れ,血液中の二酸化炭素などを体外に排出する働きを多面的に調べる。 これらの活動を通して,呼吸の働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,人や他の動物は体内に酸素を取り入れ,体外に二酸化炭素などを出していることを捉えるようにする。 |
(イ) 人や他の動物の消化の働きに着目して,食べた物が変化し体内に取り入れられることを多面的に調べる。 これらの活動を通して,消化や排出の働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,食べた物は口から,食道,胃,小腸,大腸へと移動する間に消化されていくことや,口では咀しゃくが行われ,消化された養分は腸から吸収されて血液中に入り,吸収されなかった物はふんとして肛門から排出されることを捉えるようにする。 |
(ウ) 人や他の動物の血液の循環に着目して,心臓の動きと血液の流れを関係付けて,血液に入った養分や酸素,肺から取り入れられた酸素の行方などを多面的に調べる。 これらの活動を通して,血液の働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,血液が,心臓の働きで体内を巡り,養分や酸素などを体のすみずみまで運んでいることや二酸化炭素を体のすみずみから運び出していることを捉えるようにする。 また,肺から心臓に戻る血液には,酸素が多く含まれ,全身から心臓に戻る血液には,二酸化炭素が多く含まれることを捉えるようにする。 その際,人や他の動物は心臓の拍動数と脈拍数が関係することから,心臓の動きと血液の流れが関係していることに触れるようにする。 |
(エ) 人や他の動物の体内の臓器に着目して,呼吸,消化,吸収,排出などと臓器との関係を多面的に調べる。 これらの活動を通して,個々の臓器と生命を維持する働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,呼吸には肺が関係し,消化,吸収には主に胃,小腸,大腸,肝臓が関係し,排出には腎臓が関係し,血液の循環には心臓が関係していることを捉えるようにするとともに,それらが相互に働き合って生命が維持されていることを捉えるようにする。 また,これらの臓器の名称ととともに,体内における位置を捉えるようにする。 |
ここで扱う対象としては,人の体を中心とし,呼気や吸気を調べる活動では指示薬や気体検知管,気体センサーなどによる酸素や二酸化炭素の測定が,消化を調べる活動ではヨウ素液によるヨウ素デンプン反応などが考えられる。 また,他の動物としては,呼吸の状態などが調べられる身近で安全な哺乳類や魚類が考えられる。 体のつくりの観察については魚の解剖や標本などの活用が考えられ,その際,事前にその意義を十分説明するよう留意する。 -------------------------------- ここでの指導に当たっては,人や他の動物の体のつくりや働きについて,個々の臓器の働きといった部分で見たり,生命を維持する働きという全体で見たりすることや,人と他の動物の体のつくりと働きを比較しながら調べることで,理解を深めるようにする。 その際,映像や模型,図書,コンピュータシミュレーションなどを活用して調べたり,調べたことを図や表などに整理して伝え合ったりするなど,人や他の動物の体のつくりや働きについて考えたり,説明したりする学習活動の充実を図るようにする。 |
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