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小学校 学習指導要領 【解説】 |
理科編 |
第3章 各学年の目標及び内容 |
第4節 第6学年の目標及び内容 |
2 第6学年の内容 |
B 生命・地球 |
(3) 生物と環境 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
生物と環境について,動物や植物の生活を観察したり資料を活用したりする中で,生物と環境との関わりに着目して,それらを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 -------------------------------- ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。 (ア) 生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。 (イ) 生物の間には,食う食われるという関係があること。 (ウ) 人は,環境と関わり,工夫して生活していること。 -------------------------------- イ 生物と環境について追究する中で,生物と環境との関わりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。 |
(内容の取扱い) (4) 内容の「B生命・地球」の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については,水が循環していることにも触れること。 イ アの(イ)については,水中の小さな生物を観察し,それらが魚などの食べ物になっていることに触れること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
本内容は,第4学年「B(2)季節と生物」の学習を踏まえて,「生命」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「生物と環境の関わり」に関わるものであり,中学校第2分野「(7)ア(ア)生物と環境」の学習につながるものである。 -------------------------------- ここでは,児童が,生物と水,空気及び食べ物との関わりに着目して,それらを多面的に調べる活動を通して,生物と持続可能な環境との関わりについて理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主により妥当な考えをつくりだす力や生命を尊重する態度,主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。 |
(ア) 動物は,水及び空気がないと生きていくことができないことや,植物は水が不足すると枯れてしまうことなどから,生物と水及び空気との関わりに着目して,それらを多面的に調べる。これらの活動を通して,生物と周囲の環境との関わりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,生物は水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていることを捉えるようにする。その際,地球上の水は,海や川などから蒸発し,水蒸気や雲となり,雨となるなど循環していることに触れるようにする。また,生物は酸素を吸って二酸化炭素をはき出しているが,植物は光が当たると二酸化炭素を取り入れて酸素を出すなど,生物が空気を通して周囲の環境と関わって生きていることを捉えるようにする。 |
(イ) 様々な動物の食べ物に着目して,生物同士の関わりを多面的に調べる。これらの活動を通して,生物同士の関わりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,植物を食べている動物がいることや,その動物も他の動物に食べられることがあること,生物には食う食われるという関係があるということを捉えるようにする。その際,池や川などの水を採取し,顕微鏡などを使って,水中の小さな生物を観察することにより,魚が,水中にいる小さな生物を食べて生きていることに触れるようにする。 |
(ウ) 人の生活について,環境との関わり方の工夫に着目して,持続可能な環境との関わり方を多面的に調べる。これらの活動を通して,人と環境との関わりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,人は,環境と関わり,工夫して生活していることを捉えるようにする。その際,人の生活が環境に及ぼす影響を少なくする工夫や,環境から人の生活へ及ぼす影響を少なくする工夫,よりよい関係をつくりだす工夫など,人と環境との関わり方の工夫について考えるようにする。 |
ここで扱う対象としては,(ア)については,例えば,植物が酸素を出しているかを調べるために,気体検知管や気体センサーなどを活用して,酸素や二酸化炭素の検出を行うことが考えられる。 また,地球上の水や空気の存在を想起するなど,生物と環境との関わりについて考察することが考えられる。 (イ)については,例えば,植物体を食べる身近な動物として,昆虫や草食性の哺乳類などを扱うとともに,動物を食べる動物として,肉食性の哺乳類や節足動物などを扱うようにし,食べ物を通した関わりについて考察するようにする。 (ウ)については,例えば,科学技術を活用して水や空気など周囲の環境に与える影響を少なくする工夫や,情報を活用して環境の変化を事前に予測し受ける影響を少なくする工夫,また,人が自然に働きかけることでよりよい関係をつくりだす工夫について扱うことが考えられる。 |
ここでの指導に当たっては,観察,実験が行いにくい活動については,児童の理解の充実を図るために,映像や模型,図書などの資料を活用することが考えられる。 (ア)については,水の循環や酸素,二酸化炭素の出入りを図で表現するなど,生物と環境との関わりについて考えたり,説明したりする活動の充実を図るようにする。 (イ)については,植物は自らでんぷんをつくりだしているが,人や他の動物は植物あるいは動物を食べていることから,食べ物を通して生物が関わり合って生きていることを整理し,相互の関係付けを図って理解できるようにする。水中の小さな生物を観察する際には,顕微鏡などの観察器具を適切に操作できるように指導する。 (ウ)については,これまでの理科の学習を踏まえて,自分が環境とよりよく関わっていくためにはどのようにすればよいか,日常生活に当てはめて考察するなど,持続可能な社会の構築という観点で扱うようにする。 |
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