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 土地のつくりと変化について,土地やその中に含まれる物に着目して,土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。

(ア) 土地は,礫(れき),砂,泥,火山灰などからできており,層をつくって広がっているものがあること。また,層には化石が含まれているものがあること。

(イ) 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってできること。

(ウ) 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。

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イ 土地のつくりと変化について追究する中で,土地のつくりやでき方について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

(内容の取扱い)

(5) 内容の「B生命・地球」の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(イ)については,流れる水の働きでできた岩石として礫(れき)岩,砂岩,泥岩を扱うこと。

イ アの(ウ)については,自然災害についても触れること。

 本内容は,第4学年「B(3)雨水の行方と地面の様子」,第5学年「B(3)流れる水の働きと土地の変化」の学習を踏まえて,「地球」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「地球の内部と地表面の変動」に関わるものであり,中学校第2分野「(2)大地の成り立ちと変化」の学習につながるものである。

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 ここでは,児童が,土地やその中に含まれている物に着目して,土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,土地のつくりや変化についての理解を図り,観察,実験などに関する技能を身に付けるとともに,主により妥当な考えをつくりだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。

 
 

(ア) 崖や切り通しなどで土地やその中に含まれる物に着目して,土地のつくりを多面的に調べる。

 これらの活動を通して,土地のつくりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,土地は,礫(れき),砂,泥,火山灰などからできており,幾重にも層状に重なり地層をつくって広がっているものがあることを捉えるようにする。

 また,地層には化石が含まれているものがあることや,礫(れき),砂,泥については,粒の大きさに違いがあることを捉えるようにする。

 その際,複数の地点の地層のつくりを層の構成物の粒の大きさや形,色を相互に関係付けて調べ,地層の重なりや広がりを捉えるようにする。

 なお,土地の構成物を調べる際には,例えば,地質ボーリングの資料を利用することが考えられる。

 
 

(イ) 土地やその中に含まれる物に着目して,粒の大きさや形や色などの特徴から,土地のでき方を多面的に調べる。

 これらの活動を通して,地層ができた要因について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってできることを捉えるようにする。

 その際,地層の中に含まれる丸みを帯びた礫(れき)や砂などから,流れる水の働きによってつくられた地層であることを捉えるようにする。

 また,流れる水の働きでできた岩石として礫(れき)岩,砂岩,泥岩を扱うこととする。

 一方,火山灰や多くの穴をもつ石が地層の中に含まれていることなどから,火山の噴火によってつくられた地層もあることを捉えるようにする。

 
 

(ウ) 土地の様子に着目して,火山の活動や地震による土地の変化を多面的に調べる。

 これらの活動を通して,土地のつくりやでき方について,より妥当な考えをつくりだし,表現するとともに,土地は,火山の噴火や地震によって変化することを捉えるようにする。

 その際,火山の噴火によって,溶岩が流れ出したり,火山灰が噴き出したりして変化した土地の様子や,大きな地震によって地割れが生じたり断層が地表に現れたり崖が崩れたりした様子を調べることが考えられる。

 
 

 ここでの指導に当たっては,児童が土地のつくりや変化について実際に地層を観察する機会をもつようにするとともに,映像,模型,標本などの資料を活用し,土地を構成物といった部分で見たり,地層のつくりや広がりといった全体で見たりすることで,理解を深めるようにする。

 また,遠足や移動教室などあらゆる機会を生かすとともに,博物館や資料館などの社会教育施設を活用することが考えられる。

 さらに,地層のつくりや,地層が流れる水の働きによってできる場合があることを捉えるために,第4学年「B(3)雨水の行方と地面の様子」,第5学年「B(3)流れる水の働きと土地の変化」の学習との関連を図るようにする。

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 日常生活との関連としては,火山の噴火や地震がもたらす自然災害に触れるようにする。

 その際,映像,図書などの資料を基に調べ,過去に起こった火山の活動や大きな地震によって土地が変化したことや将来にも起こる可能性があることを捉えるようにする。

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 なお,土地の観察に当たっては,それぞれの地域に応じた指導を工夫するようにするとともに,野外観察においては安全を第一に考え,事故防止に配慮するように指導する。

 また,岩石サンプルを採る際には,保護眼鏡を使用するなど,安全に配慮するように指導する。

 
 
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