「第2 内容」は,道徳教育の目標を達成するために指導すべき内容項目を以下の四つの視点から,「第1学年及び第2学年」,「第3学年及び第4学年」,「第5学年及び第6学年」の学年段階に分けて示している。
その視点から内容項目を分類整理し,内容の全体構成及び相互の関連性と発展性を明確にしている。
A 主として自分自身に関すること
B 主として人との関わりに関すること
C 主として集団や社会との関わりに関すること
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
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私たちは様々な関わりの中で生存し,その関わりにおいて様々な側面から道徳性を発現させ,身に付け,人格を形成する。
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「A 主として自分自身に関すること」は,自己の在り方を自分自身との関わりで捉え,望ましい自己の形成を図ることに関するものである。
「B 主として人との関わりに関すること」は,自己を人との関わりにおいて捉え,望ましい人間関係の構築を図ることに関するものである。
「C 主として集団や社会との関わりに関すること」は,自己を様々な社会集団や郷土,国家,国際社会との関わりにおいて捉え,国際社会と向き合うことが求められている我が国に生きる日本人としての自覚に立ち,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な道徳性を養うことに関するものである。
「D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること」は,自己を生命や自然,美しいもの,気高いもの,崇高なものとの関わりにおいて捉え,人間としての自覚を深めることに関するものである。
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この四つの視点は,相互に深い関連をもっている。
例えば,自律的な人間であるためには,Aの視点の内容が基盤となって,他の三つの視点の内容に関わり,再びAの視点に戻ることが必要になる。
また,Bの視点の内容が基盤となってCの視点の内容に発展する。
さらに,A及びBの視点から自己の在り方を深く自覚すると,Dの視点がより重要になる。そして,Dの視点からCの視点の内容を捉えることにより,その理解は一層深められる。
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したがって,各学年段階においては,このような関連を考慮しながら,四つの視点に含まれる全ての内容項目について適切に指導しなければならない。 |