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 第2に示す内容項目は,関連的,発展的に捉え,年間指導計画の作成や指導に際して重点的な扱いを工夫することで,その効果を高めることができる。

 
 

 具体的な状況で道徳的行為がなされる場合,「第2 内容」に示されている一つの内容項目だけが単独に作用するということはほとんどない。

 そこでは,ある内容項目を中心として,幾つかの内容項目が関連し合っている。

 例えば「第5学年及び第6学年」の場合であれば,「礼儀」の「時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること」のためには,「親切,思いやり」の「誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること」が必要であるし,また,「勤労,公共の精神」の「働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること」は,「感謝」の「日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること」と密接に関わっている。

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 道徳科の指導に当たっては,内容項目間の関連を十分に考慮したり,指導の順序を工夫したりして,児童の実態に応じた適切な指導を行うことが大切である。

 そして,各学年段階を通して,全部の内容項目が調和的に関わり合いながら,児童の道徳性が養われるように工夫する必要がある。

 
 

 「第1学年及び第2学年」と「第3学年及び第4学年」の内容項目は,全てが「第5学年及び第6学年」の内容に発展されるように構成されている。

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 例えば,「家族愛,家庭生活の充実」に関する内容項目については,第1学年から第6学年まで一貫して父母,祖父母を敬愛する態度を養い,「第1学年及び第2学年」では「進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと」,「第3学年及び第4学年」では,「家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること」,「第5学年及び第6学年」では,「家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること」を強調している。

 このように,児童の発達の段階に応じて,家族との関わりを徐々に深めて,家庭を担うものとして自覚ある行動ができるよう発展的に内容項目を示している。

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 6学年間を見通した発展性を十分に配慮した計画の下に,各学年段階において重点化されている内容項目を適切に指導することが大切である。

 
 

 各学校においては,児童や学校の実態などを考慮して道徳教育の目標を設定し,重点的な指導を工夫することが大切である。

 重点的指導とは,各学年段階で重点化されている内容項目や学校として重点的に指導したい内容項目をその中から選び,教育活動全体を通じた道徳教育において具体的な指導を行うことである。

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 道徳科においては,各学年段階の内容項目について2学年間を見通した重点的指導を工夫することが大切である。

 そのためには,道徳科の年間指導計画の作成において,当該の学年段階に示される内容項目全体の指導を考慮しながら,重点的に指導しようとする内容項目についての扱いを工夫しなければならない。

 例えば,その内容項目に関する指導について年間の授業時数を多く取ることや,一つの内容項目を何回かに分けて指導すること,幾つかの内容項目を関連付けて指導することなどが考えられる。

 このような工夫を通して,より児童の実態に応じた適切な指導を行う必要がある。

 
 
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