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小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第3章 道徳科の内容 |
第2節 内容項目の指導の観点 |
A 主として自分自身に関すること |
4 個性の伸長 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
〔第1学年及び第2学年〕 自分の特徴に気付くこと。 --------------------------------- 〔第3学年及び第4学年〕 自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。 --------------------------------- 〔第5学年及び第6学年〕 自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。 --------------------------------- (中学校) [向上心,個性の伸長] 自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求すること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
個性の伸長を図るために積極的に自分の長所を伸ばし,短所を改めることに関する内容項目である。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
4 個性の伸長 |
(1) 内容項目の概要 |
個性とは,個人特有の特徴や性格であると言われている。 個性の伸長は,自分のよさを生かし更にそれを伸ばし,自分らしさを発揮しながら調和のとれた自己を形成していくことである。 児童が自分らしい生活や生き方について考えを深めていく視点からも,将来にわたって自己実現を果たせるようにするためにも重視されなければならない内容である。 -------------------------------- また,この内容における特徴とは,他者と比較して特に自分の目立つ点と捉えている。 それは,長所だけではなく短所も含むものである。 自分の特徴をよい方向へ伸ばしていけばそれは長所となり,苦手なこととして改善を図らなければ短所となることもある。 したがって,自分の特徴を知るということは,その両面を見いだすことと言える。 自分のよさは自分自身では分からないことが少なくない。 他者から指摘されて気付いたり実感したりすることも多い。 具体的には,自分を取り巻く人々や学校での友人などとの関わりを通して徐々に気付いていったりもする。 長所と思われる特徴をよい方向へ伸ばし続けていると,そこからまた別の長所が生まれてくることもある。 個性の伸長に関わる指導を行う際には,長所を伸ばすように促すことはもちろんであるが,短所についてもしっかりと受け止め,努力によって望ましい方向へ改め,自分のよさを一層生かし更にそれを伸ばしていけるように配慮することが大切である。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
(2) 指導の要点 |
■ 第1学年及び第2学年 |
この時期の児童は発達の段階から,自分自身を客観視することが十分にできるとは言えない。 児童が自分の特徴に気付く契機となるのは,他者からの評価によることがほとんどである。 ほめられてうれしかったことが,自分のよさや長所につながることに気付いたり,叱られて注意されたことが,短所につながることに気付いたりすることがある。 このような他者との関係によって自分の特徴を知ることになるが,児童がそのことを自身で実感することによって,自分の特徴への気付きがより確かなものになる。 -------------------------------- 指導に当たっては,児童の長所を積極的に認め,励まし,児童自身が具体的な場面で芽生えてくる自分の長所にできるだけ多く気付き,実感していけるようにすることが,よさを伸ばすことにつながっていく。 |
■ 第3学年及び第4学年 |
この段階における自分の特徴に気付くということは,自分の長所だけでなく短所についても気付くことであり,特徴を多面的に捉えることである。 その上で,自分の特徴である長所の部分を更に伸ばしていきながら,自分の個性に気付くようにすることが求められる。 そのためには,児童が視野を広げ,他の人々の多様な個性や生き方に触れ,憧れや希望を抱ける多様な場面や機会を生かしていけるようにする。 そのような中で自分の特徴に気付くようにしたり,長所を伸ばしていこうと考えられるようにしたりする。 -------------------------------- 指導に当たっては,友達など他者との交流の中で互いを認め合い,自己を高め合える場を設定したりして,長所を伸ばそうとする意欲を引き出すことが大切である。 |
■ 第5学年及び第6学年 |
この段階においては,自己の生き方を見つめ,自分の特徴を多面的・多角的に捉えることが必要である。 そうすることにより,自分自身の長所と短所の両面が見えてくる。 その際,まず,自分が気付いた長所に目を向けて現状を維持し続けることの大切さや,更に積極的に長所を伸ばそうとする態度を育てる必要がある。 そして同時に自分の短所などもしっかり見極め,短所も自分の特徴の一側面であることを踏まえ,それを課題として改善していく努力も重ねつつ,自分自身を伸ばしていくことが大切である。 また,自己を振り返って改めるところは改め,自己を高めようとする意欲や態度は,継続されなければ将来にわたっての自己実現とはならず,本当の個性にはなっていかない。 -------------------------------- 指導に当たっては,このことをよく理解し,具体的な実践を試みることができるようにすることも重要である。 |
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