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〔第1学年及び第2学年〕

 身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 相手のことを思いやり,進んで親切にすること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。

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(中学校)

[思いやり,感謝]

 思いやりの心をもって人と接するとともに,家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに応え,人間愛の精神を深めること。

 よりよい人間関係を築く上で求められる基本的姿勢として,相手に対する思いやりの心をもち親切にすることに関する内容項目である。
 
 

 自分のことばかりを考えたり,自分の思いだけを主張したりしていては望ましい人間関係を構築することはできない。

 互いが相手に対して思いやりの心をもって接するようにすることが不可欠である。

 思いやりとは,相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り,相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けることである。

 そのためには,相手の存在を受け入れ,相手のよさを見いだそうとする姿勢が求められる。

 具体的には,相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりすることを通して励ましや援助をすることである。

 また,単に手を差し伸べることだけではなく,時には相手のことを考えて温かく見守ることも親切な行為としての表れである。

 相手のことを親身になって考えようとする態度を育てることが期待される。

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 特に学校生活においては,学校の人々や友達など様々な人と直接的に多様な関わり合いをもてるようにすることが求められる。

 その上で,相手の立場を考えたり,相手の気持ちを思いやったりすることを通して,思いやりや親切な行為の意義を実感できる機会をつくっていくことが重要である。

 
 

 この段階においては,家族だけでなく家の周りの人や学校の人々,友達などとの関わりが次第に増えてくる。

 発達的特質から自分中心の考え方をすることが多いが,様々な人々との関わりの中から,相手の考えや気持ちに気付くことができるようになる。

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 指導に当たっては,幼い人や高齢者,友達など身近にいる人に広く目を向けて,温かい心で接し,親切にすることの大切さについて考えを深められるようにすることが必要である。

 そして,身近にいる様々な人々との触れ合いの中で,相手のことを考え,優しく接することができるようにすることが求められる。

 また,その結果として相手の喜びを自分の喜びとして受け入れられるようにし,具体的に親切な行為ができるようにすることが大切である。

 
 

 この段階においては,学校生活を中心として友達同士の交流が活発になるとともに,活動範囲も広がってくる。

 様々な人々との関わりが次第に増えていく中で,相手の気持ちを察したり,相手の気持ちをより深く理解したりすることができるようになる。

 一方,ともすると他の人々の感じ方や考え方が自分たちの感じ方や考え方と同様であると思い込みがちになることもこの時期の特徴と言われている。

 そのため,相手に対する思いやりの心を育てることが一層重要になる。

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 指導に当たっては,相手の置かれている状況,困っていること,大変な思いをしていること,悲しい気持ちでいることなどを自分のこととして想像することによって相手のことを考え,親切な行為を自ら進んで行うことができるようにしていくことが大切である。

 
 

 この段階においては,自他を客観的に捉えることができるようになってくる。

 そのため,相手の置かれている状況を自分自身に置き換えて想像できるようになる。

 また,家の周囲や学校といった狭い範囲だけでなく,地域社会における公共の場所など活動範囲がより一層広がり,より多様な人々と接する機会が多くなってくる。

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 指導に当たっては,特に相手の立場に立つことを強調する必要があり,自分自身が相手に対してどのように接し,対処することが相手のためになるのかをよく考えた言動が求められる。

 また,人間関係の深さの違いや意見の相違などを乗り越え,思いやりの心とそれが伴った親切な行為を,児童が接する全ての人に広げていくことも大切である。

 そのためには,児童が多様な人々と触れ合い,助け合って何かをするような機会を増やすとともに,それらの体験を生かし,思いやりの心をもつことの大切さについて深く考えられるように工夫する必要がある。

 
 
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