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〔第1学年及び第2学年〕

 家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。

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(中学校)

[思いやり,感謝]

 思いやりの心をもって人と接するとともに,家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに応え,人間愛の精神を深めること。

 自分の日々の生活は多くの人々の支えがあることを考え,広く人々に尊敬と感謝の念をもつことに関する内容項目である。
 
 

 よい人間関係を築くためには,互いを認め合うことが大切であるが,その根底には,相手に対する尊敬と感謝の念が必要である。

 人々に支えられ助けられて自分が存在するという認識に立つとき,相互に尊敬と感謝の念が生まれてくる。

 そして,それは,日々の生活,あるいは自分が存在することに対する感謝へと広がる。

 感謝の気持ちは,人が自分のためにしてくれている事柄に気付くこと,それはどのような思いでしてくれているのかを知ることで芽生え,育まれる。

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 このことから,身近な人々から見えないところで日々の生活を支えてくれる人々まで,成長とともに,尊敬と感謝の念が広がっていくよう指導することが大切になる。

 自分たちの生活が,多くの人々に支えられ助けられて成り立っていることへの気付きが,自分も人々や公共のために役に立とうとする心情や態度につながるよう指導を深めていくことが大切になる。

 
 

 この段階においては,日常の指導などで,家庭や学校など,身近で日頃世話になっている人々の存在に気付かせることが大切である。

 誰かに自分の世話をしてもらうことを当たり前のように感じていることもある。

 家族や学校,地域社会で多くの人が児童のためを思って支えている。

 その人々が自分に寄せてくれた善意について考え,そのときに自分が感じた感謝の念について改めて考えるようにすることが大切である。

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 指導に当たっては,感謝の対象や具体的な内容を教師が適切に示す必要がある。

 世話をしてくれる人々の善意に気付き,感謝する気持ちを具体的な言葉に表し,行動に表す指導が求められる。

 
 

 この段階においては,感謝する対象を家族など日頃世話になっている身近な人々に加え,日常の生活を支えている地域の人々や,現在の生活の礎を築いた高齢者などの先達へと広げるようにすることが求められる。

 自分たちの安心で安全な生活の実現のために働く人々や,現在の自分たちの生活を築き,大切なものを守り伝えてきたり,発展・向上のために尽力してきたり,努力を重ねてきたりした高齢者などの先達の存在に気付き,その人々によって生活が支えられていることについて考えを深めさせることが大切である。

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 指導に当たっては,自分の生活を支えてくれる人の思いを考え,その人たちの存在意義に対する理解を深め,尊敬と感謝の念をもって接することができるようにすることが大切である。

 
 

 この段階においては,感謝の対象が人のみならず,多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っている日々の生活そのもの,更にはそのような中で自分が生きていることに対する感謝にまで広げることが必要である。

 この時期の児童は,自分の日々の生活だけでなく,更に広い視野で尊敬し感謝する対象に気付き,そのことに対してどのように感じているのか,思いを深められるようになる。

 家族や町の安全と繁栄を願い町会等で活動する人々や火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ,その地域での経験を生かした消火活動・救助活動を行う消防団の人々,人の苦しみや悲しみに寄り添ったり,人の楽しみや安らぎのために働いたりするボランティア活動をする人々など,支え合い,助け合おうとする善意による人々の活動がある。

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 指導に当たっては,過去から,人々が何を願い,何を残し伝えてきたのか,それは自分の生活とどう関わり,支えられているのかに気付くことができるようにすることが大切である。

 支え合い助け合おうとする人々の善意に気付き感謝する心情や態度を育て,自他を尊重する温かな人間関係を築くことのできる資質・能力を育てることが求められる。

 温かなつながりの中に自分の生活があることに感謝し,人々の善意に応えて自分は何をすべきかを自覚し,進んで実践できるようにするところまで指導する必要がある。

 
 
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