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〔第1学年及び第2学年〕

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〔第3学年及び第4学年〕

 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,相手のことを理解し,自分と異なる意見も大切にすること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。

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(中学校)

[相互理解,寛容]

 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の心をもって謙虚に他に学び,自らを高めていくこと。

 広がりと深まりのある人間関係を築くために,自分の考えを相手に伝えて相互理解を図るとともに,謙虚で広い心をもつことに関する内容項目である。
 
 

 人の考えや意見は多様であり,それが豊かな社会をつくる原動力にもなる。そのためには,多様さを相互に認め合い理解しながら高め合う関係を築くことが不可欠である。自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,自分とは異なる意見や立場も広い心で受け止めて相手への理解を深めることで,自らを高めていくことができる。異なった意見や立場をもつ者同士が互いを尊重し,広がりと深まりのある人間関係を築くためにも欠かせないことである。また,寛大な心をもって他人の過ちを許すことができるのは,自分も過ちを犯すことがあるからと自覚しているからであり,自分に対して謙虚であるからこそ他人に対して寛容になることができる。このように,寛容さと謙虚さが一体のものとなったときに,広い心が生まれ,それは人間関係を潤滑にするものとなる。

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 しかし,私たちは,自分の立場を守るため,つい他人の失敗や過ちを一方的に非難したり,自分と異なる意見や立場を受け入れようとしなかったりするなど,自己本位に陥りやすい弱さをもっている。自分自身が成長の途上にあり,至らなさをもっていることなどを考え,自分を謙虚に見ることについて考えさせることが大切である。相手から学ぶ姿勢を常にもち,自分と異なる意見や立場を受けとめることや,広い心で相手の過ちを許す心情や態度は,多様な人間が共によりよく生き,創造的で建設的な社会をつくっていくために必要な資質・能力である。今日の重要な教育課題の一つであるいじめの未然防止に対応するとともに,いじめを生まない雰囲気や環境を醸成するためにも,互いの違いを認め合い理解しながら,自分と同じように他者を尊重する態度を育てることが重要であると言える。

 
 

 この段階の児童は,自他の立場や感じ方,考え方などの違いをおおむね理解できるようになるが,ともすると違いを受け止められずに感情的になったり,それらの違いから対立が生じたりすることも少なくない。

 望ましい人間関係を構築するためには,自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,自分と異なる意見について,その背景にあるものは何かを考え,傾聴することができるようにすることが必要になる。

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 指導に当たっては,相手の言葉の裏側にある思いを知り,相手への理解を深め,自分も更に相手からの理解が得られるように思いを伝える相互理解の大切さに気付くようにすることが大切である。

 日常の指導においては,児童同士,児童と教師が互いの考えや意見を交流し合う機会を設定し,異なる考えや意見を大切にすることのよさを実感できるように指導することが大切である。

 
 

 この段階においては,自分のものの見方や考え方についての認識が深まることから,相手のものの見方,考え方との違いをそれまで以上に意識するようになる。

 また,この時期には,考えや意見の近い者同士が接近し,そうでない者を遠ざけようとする行動が見られることがある。

 そのような時期だからこそ,相手の意見を素直に聞き,なぜそのような考え方をするのかを,相手の立場に立って考える態度を育てることが求められる。

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 指導に当たっては,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重することで,違いを生かしたよりよいものが生まれるといったよさや,相手の過ちなどに対しても,自分にも同様のことがあることとして謙虚な心,広い心で受け止め,適切に対処できるように指導することが大切である。

 
 
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