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小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第3章 道徳科の内容 |
第2節 内容項目の指導の観点 |
C 主として集団や社会との関わりに関すること |
12 規則の尊重 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
〔第1学年及び第2学年〕 約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。 --------------------------------- 〔第3学年及び第4学年〕 約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。 --------------------------------- 〔第5学年及び第6学年〕 法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。 --------------------------------- (中学校) [遵法精神,公徳心] 法やきまりの意義を理解し,それらを進んで守るとともに,そのよりよい在り方について考え,自他の権利を大切にし,義務を果たして,規律ある安定した社会の実現に努めること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
生活する上で必要な約束や法,きまりの意義を理解し,それらを守るとともに,自他の権利を大切にし,義務を果たすことに関する内容項目である。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
12 規則の尊重 |
(1) 内容項目の概要 |
児童が成長することは,同時に所属する集団や社会を構成する一員として集団や社会の様々な規範を身に付けていくことでもある。 そのためにも,約束や法,きまりを進んで守ることができるようにすることが必要である。 法やきまりは自分たちを拘束するものとして自分勝手に反発したり,自分の権利は強く主張するものの,自分の果たさなければならない義務をなおざりにしたりする者も存在する中で, その際,法やきまりを守ることは,その自分勝手な反発等に対してそれらを許さないという意思をもつことと表裏の関係にある。 -------------------------------- また,身近な集団におけるよりよい人間関係づくりや人間関係における規範意識について考えさせるためにも,重要な内容項目である。 特に,人と人が仲間をつくり,よりよい人間関係を形成する上では,自分の思いのままに行動するのではなく,集団や社会のために自分が何をすればよいのか,また,自分に何ができるのか,自他の権利を十分に尊重する中で果たすべき自らの義務を考え,進んで約束やきまりを守って行動する態度を養うことが必要である。 なお,国際的な関係においても法やきまりの遵守が求められており,「国際理解,国際親善」にも通ずるものである。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
12 規則の尊重 |
(2) 指導の要点 |
■ 第1学年及び第2学年 |
この段階においては,まだ自己中心性が強く,ともすると周囲への配慮を欠いて自分勝手な行動をとることも少なくない。 また,身の回りの公共物や公共の場所の使い方や過ごし方についてどうするのがよいのか,そしてそれはなぜなのかといった理解は十分とは言えない。 -------------------------------- 指導に当たっては,身近な約束やきまりを取り上げ,それらはみんなが気持ちよく安心して過ごすためにあることを理解し,しっかりと守ろうとする意欲や態度を育てることが大切である。 また,みんなで使う物や場所を進んで大切にし,工夫して使いたいという判断力や態度を身に付けられるように指導することが必要である。 |
■ 第3学年及び第4学年 |
この段階においては,気の合う仲間や集団の中にきまりをつくり,自分たちの仲間や集団及び自分たちで決めたことを大切にしようとする傾向がある。 また,一人一人が身近な生活の中で,約束や社会のきまりと公共物や公共の場所との関わりについて考えることは少ない。 -------------------------------- 指導に当たっては,そのような発達的特性を生かし,一般的な約束や社会のきまりの意義やよさについて理解し,それらを守るように指導していくことが大切である。 さらに,社会集団を維持発展する上で,社会生活の中において守るべき道徳としての公徳を進んで大切にする態度にまで広げていく必要がある。 特に,集団生活をする上で,一人一人が相手や周りの人の立場に立ちよりよい人間関係を築くことや,集団の向上のために守らなければならない約束やきまりを十分考えることが必要である。 |
■ 第5学年及び第6学年 |
この段階においては,社会生活上のきまり,基本的なマナーや礼儀作法,モラルなどの倫理観を育成することが必要となってくる。 また,日常生活において,権利や義務という観点から,自他の行動などについて考えを深めたり,それらを尊重したりすることは少ない。 -------------------------------- 指導に当たっては,社会生活を送る上で必要であるきまりや,国会が定めるきまりである法(法律)などを進んで守り従うという遵法の精神をもつところまで高めていく必要がある。 また,他人の権利を理解,尊重し,自分の権利を正しく主張するとともに,義務を遂行しないで権利ばかりを主張していたのでは社会は維持できないことについても具体的に考えを深め,自分に課された義務についてはしっかり果たそうとする態度を育成することが重要である。 また,身近な集団生活を送る上においても,みんなで互いの権利を尊重し合い,自らの義務を進んで果たすことが大切であるという理解と積極的な行動ができるようにする必要がある。 |
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