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〔第1学年及び第2学年〕

 自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。

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(中学校)

[公正,公平,社会正義]

 正義と公平さを重んじ,誰に対しても公平に接し,差別や偏見のない社会の実現に努めること。

 民主主義社会の基本である社会正義の実現に努め,公正,公平に振る舞うことに関する内容項目である。
 
 

 社会正義は,人として行うべき道筋を社会に当てはめた考え方である。

 社会正義を実現するためには,その社会を構成する人々が真実を見極める社会的な認識能力を高め,思いやりの心などを育むようにすることが基本になければならない。

 集団や社会において公正,公平にすることは,私心にとらわれず誰にも分け隔てなく接し,偏ったものの見方や考え方を避けるよう努めることである。

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 しかし,このような社会正義の実現を妨げるものに人々の差別や偏見がある。

 人間は自分と異なる感じ方や考え方,多数ではない立場や意見などに対し偏った見方をしたり,自分よりも弱い存在があることで優越感を抱きたいがために偏った接し方をしたりする弱さをもっていると言われる。

 いじめの問題なども,このような人間の弱さが起因している場合が少なくない。

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 所属する一人一人が確かな自己実現を図ることができる社会を実現するためには,そのような人間の弱さを乗り越えて,自らが正義を愛する心を育むようにすることが不可欠である。

 その上で,法やきまりに反する行為と同様に,自他の不公正を許さない断固とした姿勢をもち,集団や社会の一員として力を合わせて積極的に差別や偏見をなくそうとする努力が重要である。

 特にかけがえのない生命の自覚や他の人との関わりに関する内容項目の指導との関連を図りながら指導を進める必要がある。

 
 

 この段階においては,発達的な特質から自己中心的な考え方をしがちである。そのため,人も自分と同じ感じ方や考え方であると考え,異なる感じ方や考え方を否定する傾向がある。

 こうした自分の好みや利害によって,ともすると公平さを欠く言動をとる姿も見受けられる。

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 指導に当たっては,日常の指導において,公正,公平な態度に根差した具体的な言動を取り上げて,そのよさを考えさせるようにすることが大切である。

 また,偏見や差別が背景にある言動については,毅(き)然として是正することが必要である。

 これらの指導を通して,児童が誰に対しても公正,公平に接することのよさを実感できるようにすることが大切である。

 
 

 この段階においては,誰に対しても分け隔てをしないで接することの大切さを理解できるようになる。

 しかし,ともすると自分の仲間を優先することに終始して,自分の好みで相手に対して不公平な態度で接してしまうことも少なくない。

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 指導に当たっては,不公平な態度が周囲に与える影響を考えさせるとともに,そのことが人間関係や集団生活に支障を来たしいじめなどにつながることを理解させることが求められる。

 誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接することができるようにすることが重要である。

 
 

 この段階においては,差別や偏見がいじめなどの問題につながることを理解できるようになる。

 一方,いじめなどの場面に出会ったときにともすると傍観的な立場に立ち,問題から目を背けることも少なくない。

 こうした問題は,自分自身の問題でもあるという意識をもたせることが大切である。

 その上で,社会正義の実現は決して容易ではないことを自覚させ,身近な差別や偏見に向き合い,公平で公正な態度で行動できるようにすることが求められる。

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 指導に当たっては,不正な行為は絶対に行わない,許さないという断固たる態度を育てることが大切である。

 日頃から自分自身の考えをしっかりもち,同調圧力に流されないで必要に応じ自分の意志を強くもったり,学校や関係機関に助けを求めたりすることに躊躇(ちゅうちょ)しないなど,周囲の雰囲気や人間関係に流されない態度を育てるようにする。

 また,社会的な差別や不公正さなどの問題はいまだに多く生起している状況があるため,これらについて考えを巡らせ,社会正義の実現について考え,自覚を深めていく指導を適切に行うことが大切である。

 
 
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