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小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第3章 道徳科の内容 |
第2節 内容項目の指導の観点 |
C 主として集団や社会との関わりに関すること |
17 伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
〔第1学年及び第2学年〕 我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。 --------------------------------- 〔第3学年及び第4学年〕 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。 --------------------------------- 〔第5学年及び第6学年〕 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつこと。 --------------------------------- (中学校) [郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度] 郷土の伝統と文化を大切にし,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬の念を深め,地域社会の一員としての自覚をもって郷土を愛し,進んで郷土の発展に努めること。 [我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度] 優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに,日本人としての自覚をもって国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展に努めること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
我が国や郷土の伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国や郷土を愛する心をもつことに関する内容項目である。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
17 伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度 |
(1) 内容項目の概要 |
自分が生まれ育った郷土は,その後の人生を送る上で心のよりどころとなるなど大きな役割を果たすものである。 また,郷土は,生きる上での大きな精神的な支えとなるものである。 郷土での様々な体験など積極的で主体的な関わりを通して,郷土を愛する心が育まれていくが,郷土から国へと親しみをもちながら視野を広げて,国や郷土を愛する心をもち,国や郷土をよりよくしていこうとする態度を育成することが大切である。 -------------------------------- 我が国や郷土の伝統を継承することは,長い歴史を通じて培われ,受け継がれてきた風俗,習慣,芸術などを大切にし,それらを次代に引き継いでいくということである。 我が国や郷土の伝統と文化を大切にする心は,過去から現在に至るまでに育まれた我が国や郷土の伝統と文化に関心をもち,それらと現在の自分との関わりを理解する中から芽生えてくるものである。 それは,国や郷土を愛する心へとつながり,さらに,我が国が果たすべき役割と責任を自覚することにもつながるものである。 -------------------------------- なお,ここでいう「国や郷土を愛する」とは,教育基本法において教育の目標として「伝統と文化をはぐくんできた我が国や郷土を愛する態度」(第2条第5号)を養うと定めているのと同様の趣旨であり,我が国や郷土を愛する「態度」と「心」は,教育の過程を通じて,一体として養われるものである。 また,内容項目に規定している「我が国」や「国」とは,政府や内閣などの統治機構を意味するものではなく,歴史的に形成されてきた国民,国土,伝統,文化などからなる歴史的・文化的な共同体としての国を意味するものである。 したがって,国を愛することは,偏狭で排他的な自国賛美ではなく,また,次の内容項目の「国際理解,国際親善」に関する指導と相まって,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚と責任をもって,国際親善に努めようとする態度につながっている点に留意する必要がある。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
17 伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度 |
(2) 指導の要点 |
■ 第1学年及び第2学年 |
この段階においては,昔の遊びを体験したり,地域の行事などに参加して身の回りにある昔から伝わるものに触れたりする機会が多くなる。 このことを通して,家庭や学校を取り巻く郷土に目が向けられるようになる。 また,昔の遊びや季節の行事などを通して我が国の伝統や文化にも触れ,親しみをもてるようになる。 -------------------------------- 指導に当たっては,児童が住む町の身近な自然や文化などに直接触れる機会を増やしたり,そこに携わる人々との触れ合いを深めたりすることで国や郷土への愛着を深め,親しみをもって生活できるようにすることが大切である。 |
■ 第3学年及び第4学年 |
この段階においては,自分たちの郷土に対する理解が深まる。 また,地域での生活が活発になるのに伴い,地域の行事や活動に興味をもつようになる。 また,地域の生活や環境などの特色にも目が向けられ,郷土のすばらしさを実感できるようになる。 -------------------------------- 指導に当たっては,地域の人々や生活,伝統,文化に親しみ,それを大切にすることを通して,郷土を愛することについて考えさせ,地域に積極的に関わろうとする態度を育てることが必要である。 さらに,自然や文化,スポーツなどへの関心も高まり,郷土から視野を広げて,我が国の伝統と文化について理解を深めるようになる。 そこで,様々な活動を通して我が国の伝統と文化に関心をもち,これらに親しむ気持ちを育てるように指導することが必要である。 |
■ 第5学年及び第6学年 |
この段階においては,我が国の国土や産業,歴史などの学習を通して,我が国の国土や産業の様子,我が国の発展に尽くした先人の業績や優れた文化遺産に目が向けられるようになることから,受け継がれている我が国の伝統や文化を尊重し,更に発展させていこうとする態度を育てることが大切である。 -------------------------------- 指導に当たっては,機会を捉えて我が国の伝統や文化などを話題にしたり,直接的に触れたりする機会を増やすことを通してそのよさについて理解を深めることが求められる。 このことを通して,伝統や文化を育んできた我が国や郷土を受け継ぎ発展させていくべき責務があることを自覚し,努めていこうとする心構えを育てる必要がある。 |
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