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小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第3章 道徳科の内容 |
第2節 内容項目の指導の観点 |
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること |
20 自然愛護 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
〔第1学年及び第2学年〕 身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。 --------------------------------- 〔第3学年及び第4学年〕 自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。 --------------------------------- 〔第5学年及び第6学年〕 自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。 --------------------------------- (中学校) [自然愛護] 自然の崇高さを知り,自然環境を大切にすることの意義を理解し,進んで自然の愛護に努めること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
自分たちを取り巻く自然環境を大切にしたり,動植物を愛護したりすることに関する内容項目である。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
20 自然愛護 |
(1) 内容項目の概要 |
古来日本人は,自然から受ける様々な恩恵に感謝し,自然との調和を図りながら生活を営んできた。 自然に親しみ,動植物が自然の中でたくましく生きてきた知恵や巧みさについて学んできた。 そして,自然と一体になりながら動植物を愛護し,豊かな情操を育んできたのである。 動植物は自然環境の中で生きており,それぞれの環境に適応して生活を営んでいる。 人間も地球に住む生物の一員であり,環境との関わりなしには生きていけない存在である。 自然の美しさやすばらしさには,理屈抜きで感動する。 また,自然の中で育まれた伝統文化は人々の心を潤し,自然と人間のよい関係を象徴するものである。 一方,人間の力を超えた自然の驚異は,その不思議さにとどまらず,偉大なる自然の前に人間の無力さを見せつけられることもある。 -------------------------------- 科学技術の進歩等に伴う物の豊かさ,便利さは,人間が本来もっていた感性や資質を弱くしてしまっているとも言われる。 環境破壊が地球規模で進んでいく中で,自分たちが身近な暮らしの中でできることは何だろうかと考え,現状の改善に自分たちのできることから少しずつ実際に取り組んでいくこともできる。 -------------------------------- 自然や動植物を愛し,自然環境を大切にしようとする態度は,地球全体の環境の悪化が懸念され,持続可能な社会の実現が求められている中で,特に身に付けなければならないものである。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
20 自然愛護 |
(2) 指導の要点 |
■ 第1学年及び第2学年 |
この段階においては,特に身近な自然の中で楽しく遊んだり,自然と親しんだりする活動を行うことが多い。 また,生活科の学習などを通して動物の世話や飼育をしたり,植物の栽培や観察などを根気よく丁寧に行ったりしながら,自然や動植物などと直接触れ合う多くの体験をしている。 -------------------------------- 指導に当たっては,児童のこうした活動や体験を通して,自然に親しみ動植物に優しく接しようとする心情を育てることが求められる。 自然や動植物のもつ不思議さ,生命の力,そして,共に生きていることのいとおしさなどを自然や動植物と触れ合うことを通して実際に感じることによって,自然や動植物を大事に守り育てようとする気持ちが強く育まれる。 |
■ 第3学年及び第4学年 |
この段階においては,自然やその中に生きる動植物を大切にする心を更に深めていくことが求められる。 自然を大切にすることで,自分たちの生命も守られることに気付くようになる。 また,環境保全についても関心をもち,その必要性について考えることができるようになる。 -------------------------------- 指導に当たっては,自然に親しみながら自然のもつ美しさやすばらしさを感得できるようにする必要がある。 それらを踏まえて,身近なところから少しずつ自分たちなりにできることを,動植物と自然環境との関わりを考え実行しようとする意欲を高めることも大切である。 |
■ 第5学年及び第6学年 |
この段階においては,自然の仕組みについての理解が深まり,自然環境に関わる課題についても理解できるようになる。 こうした理解の上に立って,自然環境を保護するとともに,自主的,積極的に環境を保全する態度を育てることが求められる。 また,人間の力が及ばない自然の偉大さと驚異についてもしっかりと感じ取り,謙虚に自然に学ぶ態度を身に付ける必要がある。 -------------------------------- 指導に当たっては,自然環境と人間との関わりから,人間の生活を豊かにすることを優先し,十分な思慮や節度を欠いて自然と接してきたことに気付かせたい。 その上で,人間も自然の中で生かされていることを自分の体験を基に考えられるようにすることが必要である。 人間と自然や動植物との共存の在り方を積極的に考え,自分にできる範囲で自然環境を大切にし,持続可能な社会の実現に努めようとする態度を育むことが望まれる。 |
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