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(2) 道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,計画的・発展的な指導を行うこと。

 特に,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うことや,児童や学校の実態等を踏まえて指導をより一層深めること,内容項目の相互の関連を捉え直したり発展させたりすることに留意すること。

 道徳科の特質は,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要として,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して道徳性を養うことである。

 各教科等で行う道徳教育は,全体計画によって計画的に行うものもあれば,児童の日々の教育活動の中で見られる具体的な行動の指導を通して対処的に行うものもある。道徳科の指導は,学校の道徳教育の目標に向かって,教育活動全体を通じて行う道徳教育との関連を図りながら計画的・発展的に行うものである。

 道徳科の大きな特徴は,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育との関連を明確にして,児童の発達の段階に即しながら,「第3章 特別の教科 道徳」の「第2 内容」に示された道徳的諸価値に含まれた内容を全体にわたって計画的,発展的に指導するところにある。

 そのためには,学校が,地域や学校の実態及び児童の発達の段階や特性等を考慮し,教師の創意工夫を加えて,「第2 内容」の全てについて確実に指導することができる見通しのある年間指導計画を作成する必要がある。

 
 

 道徳科は,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動など学校の教育活動全体を通じて行われる道徳教育の要としての役割を担っている。

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 各教科等で行う道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補う補充や,児童や学校の実態等を踏まえて指導をより一層深める深化,内容項目の相互の関連を捉え直したり発展させたりする統合の役割を担っているのである。

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 児童は,学校の諸活動の中で多様な道徳的価値について感じたり考えたりするが,各教科等においてもその特質があるために,その全てについて考える機会があるとは限らない。

 道徳科は,このように学校の諸活動で考える機会を得られにくい道徳的価値などについて補う役割がある。

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 また,児童は,各教科においてそれぞれの特質に応じて道徳性を養うための学習を行うが,各教科等の指導には各教科等特有のねらいがあることから,その中では道徳的価値の意味などについて必ずしもじっくりと考え,深めることができているとは限らない。

 道徳科は,このように道徳的価値の意味やそれと自己との関わりについて一層考えを深める役割を担っている。

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 さらに,各教科等における道徳教育の中で多様な体験をしていたとしても,それぞれがもつ道徳的価値の相互の関連や,自己との関わりにおいての全体的なつながりなどについて考えないまま過ごしてしまうことがある。

 道徳科は,道徳的価値に関わる諸事象を,捉え直したり発展させたりして,児童に新たな感じ方や考え方を生み出すという統合としての役割もある。

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 このことを児童の立場から見ると,道徳科は,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動などで学習した道徳的諸価値を,全体にわたって人間としての在り方や生き方という視点から捉え直し,それらを発展させていこうとする時間ということになる。

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 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の指導の充実が,道徳科の指導の充実につながることの意味を深く理解し,その要としての重要な役割を再認識して,計画的・発展的な指導を行うようにしなければならない。

 
 
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