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(3) 児童が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。

 その際,道徳性を養うことの意義について,児童自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。

 道徳教育の本来の使命に鑑みれば,特定の価値観を押し付けたり,主体性をもたず言われるままに行動するように指導したりすることは,道徳教育が目指す方向の対極にあるものと言わなければならない。

 むしろ,多様な価値観の,時に対立がある場合を含めて,人間としてよりよく生きるために道徳的価値に向き合い,いかに生きるべきかを自ら考え続ける姿勢こそ道徳教育が求めるものと言える。

 授業では,学習の始めに児童自らが学びたいという課題意識や課題追究への意欲を高め,学習の見通しなどをもたせることが大切である。

 道徳科においても,それらを踏まえ,教材や児童の生活体験などを生かしながら,一定の道徳的価値に関わる物事を多面的・多角的に捉えることができるようにする必要がある。

 さらに,理解した道徳的価値から自分の生活を振り返り,自らの成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることが望まれる。

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 そのため,道徳的価値や児童自身の生活について多様な観点から捉え直し,自らが納得できる考えを導き出す上で効果的な教材を選択したり,その教材の特質を生かすとともに,一人一人が意欲的で主体的に取り組むことができる表現活動や話合い活動を仕組んだり,学んだ道徳的価値に照らして,自らの生活や考えを見つめるための具体的な振り返り活動を工夫したりすることが必要である。

 さらに,必要に応じて,授業開始時と終了時における考えがどのように変わったのかが分かるような活動を工夫することも効果的である。

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 また,特定の価値観の押し付けにならないよう,学年段階に応じて,道徳科における主体的かつ効果的な学び方を児童自らが考えることができるような工夫をすることが大切である。

 そして,児童の発達の段階に応じて,児童自らが道徳的価値を実現するための課題や目標,及び道徳性を養うことのよさや意義について考えることができるような指導を工夫することも大切である。

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 なお,年度当初に,道徳科の学習全体を見通し,学年始めの自分の有様やこれからの自らの課題や目標を捉えるための学習を行うことも効果的である。

 そして,その望ましい自分の在り方を求めて,年度途中や年度末に,それまでの学習や自分自身を適宜振り返ることで,自らの道徳的な成長を実感したり,新たな課題や目標をもったりする学習を工夫することもよい。

 そのことによって,道徳的価値や自らの生き方について引き続き考え続ける態度を養い,一層長い期間の中で,主体的で意欲的に生き方を学ぶ道徳科の学習とすることができる。

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 そのためにも,教師自らが児童と共に自らの道徳性を養い,よりよく生きようという姿勢を大切にし,日々の授業の中で愛情をもった児童への指導をすることが重要となる。

 
 

 学校教育は,関係法令及び学習指導要領に基づいて編成された教育課程を実施することが求められており,年間指導計画等に従って全ての教師が意図的,計画的に指導することが重要である。

 しかし,このことは指導内容を単に児童に注入することではない。

 指導内容を児童が自分との関わりで捉え,切実感をもって学習することで真に児童が習得することにつながるものである。

 そのためには,児童の主体的な学びが必要になる。学習指導においては,児童自らが主体的に学ぶための教師の創意工夫が求められる。

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 道徳科の授業では,教師が特定の価値観を児童に押し付けたり,児童が指示通りに主体性をもたず言われるままに行動するよう指導したりすることは,目指す方向の対極にあるものである。

 また,多様な価値観の,時に対立がある場合を含めて,人間としてよりよく生きるために道徳的価値に向き合い,いかに生きるべきかを自ら考え続ける姿勢が求められるのである。

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 このようなことから,道徳的価値の理解を基に自己を見つめるなどの授業を行った場合には,児童が道徳的価値を自分との関わりで捉え,自らの将来に進んで生かそうとする姿勢をもてるような主体的な学習にすることが求められる。

 その際,児童が道徳的価値について主体的に考えることができるよう問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れるなど,教材に応じて効果的な学習を設定することが必要である。

 
 
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