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小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第4章 指導計画の作成と内容の取扱い |
第3節 指導の配慮事項 |
5 問題解決的な学習など多様な方法を取り入れた指導 |
小学校 学習指導要領 【本文】 |
「第3章 特別の教科 道徳」の 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2 |
(5) 児童の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。 その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。 また,特別活動等における多様な実践活動や体験活動も道徳科の授業に生かすようにすること。 |
小学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳科においては,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を行う。 こうした道徳科の特質を生かすことに効果があると判断した場合には,多様な方法を活用して授業を構想することが大切である。 道徳科の特質を生かした授業を行う上で,各教科等と同様に問題解決的な学習や体験的な学習等を有効に活用することが重要である。 |
(1) 問題解決的な学習の工夫 |
道徳科における問題とは道徳的価値に根差した問題であり,単なる日常生活の諸事象とは異なる。 道徳科における問題解決的な学習とは,ねらいとする道徳的諸価値について自己を見つめ,これからの生き方に生かしていくことを見通しながら,実現するための問題を見付け,どうしてそのような問題が生まれるのかを調べたり,他者の感じ方や考え方を確かめたりと物事を多面的・多角的に考えながら課題解決に向けて話し合うことである。 そして,最終的には児童一人一人が道徳的諸価値のよさを理解し,自分との関わりで道徳的価値を捉え,道徳的価値を自分なりに発展させていくことへの思いや課題が培われるようにすることである。 -------------------------------- 例えば,ねらいとする道徳的価値の理解を図る際に,その意義などについて考え,道徳的価値を実現することのよさは理解できるものの,人間としての弱さがあり,実現することが難しいという場合がある。 このような課題について児童が自分の体験やそれに伴う感じ方や考え方を基に自分なりの考えをもち,友達との話合いを通して道徳的価値のよさや難しさを確かめるような問題解決的な学習が考えられる。 児童が問題意識をもって学習に臨み,ねらいとする道徳的価値を追求し,多様な感じ方や考え方によって学ぶことができるようにするためには,指導方法の工夫が大切である。 -------------------------------- 例えば,主題に対する児童の興味や関心を高める導入の工夫,他者の考えと比べ自分の考えを深める展開の工夫,主題を自分との関わりで捉え自己を見つめ直し,発展させていくことへの希望がもてるような終末の工夫などがある。 -------------------------------- また,問題解決的な学習では,教師と児童,児童相互の話合いが十分に行われることが大切であり,教師の発問の仕方の工夫などが重要である。 さらに,話合いでは学習形態を工夫することもでき,一斉による学習だけでなく,ペアや少人数グループなどでの学習も有効である。 -------------------------------- 道徳科において問題解決的な学習を取り入れた場合には,その課題を自分との関わりで見つめたときに,自分にはどのようなよさがあるのか,どのような改善すべきことがあるのかなど,考え,話し合うことを通して,児童一人一人が課題に対する答えを導き出すことが大切である。 そのためにも,授業では自分の気持ちや考えを発表することだけでなく,時間を確保してじっくりと自己を見つめて書くことなども有効であり,指導方法の工夫は不可欠である。 ただし,この場合,話し合う場面を設定すること,ペアや少人数グループなどでの学習を導入することが目的化してしまうことがないよう,指導の意図に即して,取り入れられる手法が適切か否かをしっかり吟味する必要がある。 |
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