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 児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。

 学習における評価とは,児童にとっては,自らの成長を実感し意欲の向上につなげていくものであり,教師にとっては,指導の目標や計画,指導方法の改善・充実に取り組むための資料となるものである。

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 教育において指導の効果を上げるためには,指導計画の下に,目標に基づいて教育実践を行い,指導のねらいや内容に照らして児童の学習状況を把握するとともに,その結果を踏まえて,学校としての取組や教師自らの指導について改善を行うサイクルが重要である。

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 道徳教育における評価も,常に指導に生かされ,結果的に児童の成長につながるものでなくてはならない。

 学習指導要領第1章総則の第3の2の(1)では,「児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し,学習したことの意義や価値を実感できるようにすること」と示しており,他者との比較ではなく児童一人一人のもつよい点や可能性などの多様な側面,進歩の様子などを把握し,年間や学期にわたって児童がどれだけ成長したかという視点を大切にすることが重要であるとしている。

 道徳教育においてもこうした考え方は踏襲されるべきである。

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 このことから,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育における評価については,教師が児童一人一人の人間的な成長を見守り,児童自身の自己のよりよい生き方を求めていく努力を評価し,それを勇気付ける働きをもつようにすることが求められる。

 そして,それは教師と児童の温かな人格的な触れ合いに基づいて,共感的に理解されるべきものである。

 
 

 学習指導要領第3章の第3の4において,「児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。

 ただし,数値などによる評価は行わないものとする」と示している。

 これは,道徳科の評価を行わないとしているのではない。

 道徳科において養うべき道徳性は,児童の人格全体に関わるものであり,数値などによって不用意に評価してはならないことを特に明記したものである。

 したがって,教師は道徳科においてもこうした点を踏まえ,それぞれの授業における指導のねらいとの関わりにおいて,児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を様々な方法で捉えて,個々の児童の成長を促すとともに,それによって自らの指導を評価し,改善に努めることが大切である。

 
 
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