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3 各学校において定める目標及び内容の取扱い

 各学校において定める目標及び内容の設定に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各学校において定める目標については,各学校における教育目標を踏まえ,総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示すこと。

 各学校において定める目標については,各学校における教育目標を踏まえ,総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示す必要がある。

 各学校における教育目標を踏まえとは,各学校において定める総合的な学習の時間の目標が,この時間の円滑で効果的な実施のみならず,各学校において編成する教育課程全体の円滑で効果的な実施に資するものとなるよう配慮するということである。

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 第1章総則の第2の1において,教育課程の編成に当たって,学校教育全体や各教科等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にすることが定められた。

 あわせて,各学校の教育目標を設定するに当たっては,「第5章総合的な学習の時間の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。」とされた。

 

 各学校における教育目標には,

 地域や学校,児童の実態や特性を
 踏まえ,
 主体的・創造的に編成した教育課程
 によって実現を目指す児童の姿等

 が描かれることになる。

 

 各学校における教育目標を踏まえ,
 総合的な学習の時間の目標を
 設定することによって,

 総合的な学習の時間が,
 各学校の教育課程の編成において,
 特に教科等横断的な
 カリキュラム・マネジメント
 という視点から,
 極めて重要な役割を担うことが
 今まで以上に鮮明となった。

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 学校教育目標は,
 教育課程全体を通して
 実現していくものである。

 その意味で,
 総合的な学習の時間も
 他教科等と同様,
 それぞれの特質に応じた役割を
 果たすことで,
 学校教育目標の実現に
 貢献していくことに変わりはない。

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 その一方で,
 各学校において定める
 総合的な学習の時間の目標には,

 第1の目標を踏まえつつ,
 各学校が育てたいと願う児童の姿や
 育成すべき資質・能力などを,
 各学校の創意工夫に基づき
 明確に示すこと
が期待されている。

 つまり,
 総合的な学習の時間の目標は,
 学校の教育目標と直接的につながる
 という,
 他教科等にはない独自な特質を有する

 ということを意味している。

 

 このため,
 各学校の教育目標を
 教育課程で具現化していくに当たって,

 総合的な学習の時間の目標が
 学校の教育目標を具体化し,
 そして
 総合的な学習の時間と
 各教科等の学習を関連付ける
 ことにより,

 総合的な学習の時間を軸としながら,
 教育課程全体において,
 各学校の教育目標のよりよい実現を
 目指していくことになる。

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 また,
 総合的な学習の時間は,

 教科等を越えた
 全ての学習の基盤となる資質・能力を
 育むとともに,

 各教科等で身に付けた資質・能力を
 相互に関連付け,
 学習や生活に生かし,
 それらが総合的に働くようにするもの

 である。

 このような形で
 各教科等の学習と
 総合的な学習の時間の学習が
 往還することからも,
 総合的な学習の時間は
 教科等横断的な教育課程の編成
 において重要な役割を果たす。

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 こうしたことを踏まえ,
 各学校において定める目標を
 設定するに当たっては,
 第1の目標の趣旨を踏まえつつ,

 例えば,
 各学校が育てたいと願う児童の姿や
 育成すべき資質・能力のうち,
 他教科等では十分な育成が難しいもの
 について示したり,

 あるいは,
 学校において
 特に大切にしたい資質・能力について,
 より深めるために,
 総合的な学習の時間の目標に明記し,
 その実現を目指して
 取り組んでいったりすること
 などが考えられる。

 総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示すとは,各学校における教育目標を踏まえて,各学校において定める目標の中に,この時間を通して育成を目指す資質・能力を「三つの柱」に即して具体的に示すということである。

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 その際,既に学校教育目標の中に実現を目指す望ましい児童の姿が具体的に描かれている場合には,そこから無理なく育成を目指す資質・能力を導き出すことができると思われる。

 一方,実現を目指す児童の姿が抽象的,一般的,概括的に描かれている場合には,育成を目指す資質・能力を導き出すことが困難となる可能性がある。

 そのようなときは,校長のリーダーシップの下,実現を目指す児童の姿について改めて校内で議論し,育成を目指す資質・能力をイメージできる程度に具体化したり鮮明化したりすることが考えられる。

 この作業は,単に総合的な学習の時間の目標設定のみならず,学校の全ての教育活動の質の向上に資するものである。

 総合的な学習の時間の目標設定を契機に,校内で一体となって取り組み,共通理解を図ることが期待される。

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 このように,学校教育目標の中に実現を目指す望ましい児童の姿が具体的に描かれることは,そこにその学校ならではの強調点,独自性などが明確に示されることを意味する。

 したがって,それらを意識し,適切に反映させて育成を目指す資質・能力を記述していけば,自ずと,第1の目標との対比において,いずれかの要素の具体化や重点化,あるいは別の要素の付加が生じてくるであろう。

 各学校においては,前回の改訂において定めてきた「学校の目標」や「育てようとする資質や能力及び態度」を参考にし,実践から得られた知恵や経験を発展的に継承することが大切である。

 その際,第1の目標における(1)(2)(3)の記述からも分かるように,従来「学習方法に関すること」として示してきたことが,今回の改訂では,主として(2)「思考力,判断力,表現力等」に関わるものである。

 また従来「自分自身に関すること,他者や社会との関わりに関すること」という二つで示してきたことが,今回の改訂では,主として(3)「学びに向かう力,人間性等」に関わるものである。

 これまでの実践を参考に,適切な資質・能力を検討することが求められる。

 
 
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