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(3) 各学校において定める目標及び内容については,日常生活や社会との関わりを重視すること。

 各学校において目標や内容を定める
 とは,

 どのような児童を育てたいのか,

 そのために
 どのような資質・能力を育成するのか,

 さらに,
 それを
 どのような探究課題の解決を通して,
 具体的な資質・能力として
 育成を実現していこうとするのか

 などを明らかにすることである。

 

 ここでは,
 各学校において目標や内容を定める
 に当たっては,
 日常生活や社会との関わりを
 重視することが大切であること
 を示している。

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 日常生活や社会との関わりを重視する
 ということには,
 以下の三つの意味がある。

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 一つ目は,
 総合的な学習の時間では,
 実社会や実生活において
 生きて働く資質・能力の育成が
 期待されていることである。

 実際の生活にある課題を
 取り上げることで,
 児童は日常生活や社会において,
 課題を解決しようと真剣に取り組み,
 自らの能力を存分に発揮する。

 その中で育成された資質・能力は,
 実社会や実生活で生きて働くもの
 として育成される。

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 二つ目は,
 総合的な学習の時間では,
 児童が主体的に取り組む学習が
 求められていることである。

 日常生活や社会に関わる課題は,
 自分とのつながりが明らかであり
 児童の関心も高まりやすい。

 また,
 直接体験なども行いやすく,
 身体全体を使って,
 本気になって取り組む児童の姿が
 生み出される。

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 三つ目は,
 総合的な学習の時間では,
 児童にとっての学ぶ意義や目的を
 明確にすることが
 重視されていることである。

 

 自ら設定した課題を解決する
 過程では,
 地域の様々な人との関わりが生じる
 ことも考えられる。

 そうした学習活動では,
 「自分の力で解決することができた」,
 「自分が学習したことが
  地域の役に立った」
 などの,
 課題の解決に取り組んだことへの
 自信や自尊感情
 が育まれ,
 日常生活や社会への参画意識も
 醸成される。

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 このように,各学校においては,これらのことに配慮しつつ,目標及び内容を定めることが求められる。

 実際の生活の中にある問題や地域の事象を取り上げ,それらを実際に解決していく過程が大切であり,そのことが総合的な学習の時間の充実につながる。

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 こうして行われる探究的な学習では,児童が自ら設定した課題などを,自分と切り離して見たり扱ったりするのではなく,自分や自分の生活との関わりの中で捉え,考えることになる。

 また,人や社会,自然を,別々の存在として認識するのではなく,それぞれがつながり合い関係し合うものとして捉え,認識しようとすることにもつながる。

 総合的な学習の時間では,それぞれの児童が具体的で関係的な認識を,自ら構築していくことを期待している。

 このように,日常生活や社会との関わりを重視した探究的な学習を行うことに,総合的な学習の時間のもつ重要性がある。

 
 
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