各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の内容を定めることが求められている。
総合的な学習の時間では,各教科等のように,どの学年で何を指導するのかという内容を学習指導要領に明示していない。
これは,各学校が,第1の目標の趣旨を踏まえて,地域や学校,児童の実態に応じて,創意工夫を生かした内容を定めることが期待されているからである。
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今回の改訂において,
総合的な学習の時間については,
内容の設定に際し,
「目標を実現するにふさわしい
探究課題」,
「探究課題の解決を通して
育成を目指す
具体的な資質・能力」
の二つを定める必要があるとされた。
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目標を実現するにふさわしい探究課題
とは,
目標の実現に向けて
学校として設定した,
児童が探究的な学習に取り組む課題
であり,
従来「学習対象」として
説明されてきたもの
に相当する。
つまり,
探究課題とは,
探究的に関わりを深める人・もの・こと
を示したものである。
具体的には,例えば
「身近な自然環境と
そこで起きている環境問題」,
「地域の伝統や文化と
その継承に力を注ぐ人々」,
「実社会で働く人々の姿と自己の将来」
などが考えられる。
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一方,
探究課題の解決を通して育成を目指す
具体的な資質・能力とは,
各学校において定める目標に
記された資質・能力を
各探究課題に即して
具体的に示したものであり,
教師の適切な指導の下,
児童が各探究課題の解決に
取り組む中で,
育成することを目指す資質・能力
のことである。
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このように,
総合的な学習の時間の内容は,
目標を実現するにふさわしい
探究課題と,
探究課題の解決を通して育成を目指す
具体的な資質・能力
の二つによって構成される。
両者の関係については,
目標の実現に向けて,
児童が「何について学ぶか」
を表したものが
探究課題であり,
各探究課題との関わりを通して,
具体的に
「どのようなことができるようになるか」
を明らかにしたものが
具体的な資質・能力
という関係になる。
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また,各学校においては,内容を指導計画に適切に位置付けることが求められる。
その際,学年間の連続性,発展性や中学校との接続,他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ,他教科等で育成を目指す資質・能力との関連を明らかにして,内容を定めることが重要である。
なお,それぞれの設定に当たって配慮すべき事項等については,改めて本章第3節で述べる。
また,各学校における内容の設定の手順や方法については,本解説第5章第3節で詳しく解説する。
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