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(7) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をすること。

 第1章総則の第1の2の(2)においては,「学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下,「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行うこと。」と規定されている。

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 これを受けて,総合的な学習の時間の指導においては,その特質に応じて,道徳について適切に指導する必要があることを示すものである。

 
 

 総合的な学習の時間における
 道徳教育の指導においては,

 学習活動や学習態度への配慮,
 教師の態度や行動による感化
 とともに,

 以下に示すような
 総合的な学習の時間の目標と
 道徳教育との関連を
 明確に意識しながら,
 適切な指導を行う必要がある。

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 総合的な学習の時間においては,
 目標を

 「探究的な見方・考え方を働かせ,
  横断的・総合的な学習を行うこと
  を通して,
  よりよく課題を解決し,
  自己の生き方を考えていく
  ための資質・能力を
  次のとおり育成する」

 とし,
 育成を目指す資質・能力の三つの柱を
 示している。

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 総合的な学習の時間の内容は,
 各学校で定めるものであるが,
 目標を実現するにふさわしい探究課題
 については,
 例えば,

 国際理解,情報,環境,福祉・健康
 などの
 現代的な諸課題に対応する
 横断的・総合的な課題,

 地域の人々の暮らし,
 伝統と文化など
 地域や学校の特色に応じた課題,

 児童の興味・関心に基づく課題

 などを踏まえて
 設定することが考えられる。

 

 児童が,
 横断的・総合的な学習を
 探究的な見方・考え方を働かせて行う
 ことを通して,

 このような現代社会の課題などに
 取り組み,
 これらの学習が
 自己の生き方を考えることに
 つながっていくことになる。

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 また,
 探究課題の解決を通して
 育成を目指す具体的な資質・能力
 については,

 主体的に判断して
 学習活動を進めたり,
 粘り強く考え解決しようとしたり,
 自己の目標を実現しようとしたり,
 他者と協調して生活しようとしたりする
 資質・能力
 を育てることも重要であり,

 このような資質・能力の育成は
 道徳教育につながるものである。

 
 

 道徳科では,
 道徳的価値についての理解を基に,
 自己を見つめ,
 物事を多面的・多角的に考え,
 自己の生き方についての考えを深める
 学習を通して,
 道徳性を養う授業が展開される。

 総合的な学習の時間では,
 探究的な見方・考え方を働かせ,
 横断的・総合的な学習を行うこと
 を通して,

 よりよく課題を解決し,
 自己の生き方を考えていくための
 資質・能力
 を育成することを目指す。

 それぞれの目標,
 内容を有するものであるが,
 どちらも
 児童が自己の生き方を考えること
 につながるものである。

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 総合的な学習の時間において,
 課題の解決に向けて探究する中で,
 道徳科において学習した道徳的価値
 について
 より深く理解したり,
 自分の生き方と関連付けて考えられる
 ようになったりすること
 が考えられる。

 また,
 例えば,
 総合的な学習の時間において
 調べたりまとめたりした課題について,
 道徳科の授業において
 主題として扱い,
 そこに含まれる道徳的な価値について
 多面的・多角的に考え,
 自己の生き方の考えを深める学習へと
 展開していくこと
 が考えられる。

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 児童の道徳性が
 より発展的,調和的に育っていくよう,
 道徳科と
 総合的な学習の時間における
 道徳教育との関連を図り,
 全体として道徳教育を充実していく
 必要がある。

 
 
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