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(1) 第2の各学校において定める目標及び内容に基づき,児童の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。

 総合的な学習の時間においては,
 児童が自ら課題を見付け,
 自ら学び,
 自ら考え,
 主体的に判断する
 など,
 児童の主体性や興味・関心を
 十分に生かすことが望まれる。

 そのためには
 より質の高い指導が必要である。

 

 しかし,

 課題設定や解決方法を
 教師が必要以上に教え過ぎてしまうこと
 によって,
 児童が自ら学ぶことを妨げる
 ような事例や,

 どのような活動をするのか
 ということに
 目を向け過ぎるあまり,
 総合的な学習の時間を通して
 育成を目指す資質・能力
 が身に付いているのかが
 見えにくい事例も見られる。

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 児童の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこととは,

 こうした反省に立って,

 各学校で定めた
 総合的な学習の時間の目標及び内容
 に基づいて,

 育成を目指す資質・能力が
 身に付いているのかを
 継続的に評価しながら,

 より質の高い資質・能力の育成
 に向けて
 自立的な学習が行われるよう,
 必要な手立てを講じること
 を意味している。

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 探究のプロセスにおいて,
 児童の知らない知識が必要になる
 と考えられる場合には,

 教師が
 資料を提示したり
 説明したりすること
 が適切である。

 

 例えば,

 児童が
 課題への取り組み方を考えつかない
 場合には,

 これまでに取り組まれた
 好ましい事例を
 教師が示したり,
 より達成しやすい小さな課題に分けて
 示したり,

 情報の整理・分析で
 迷っている場合には,

 図示して
 比較したり
 分類したり
 関連付けたりすること
 などを促し,
 児童の思考を補助したりすること
 が適切である。

 

 学習の場の設定,

 学習活動の目的を
 しっかりもたせること,

 学習の状況についての
 価値付けや方向付け,

 探究的な学習活動が
 一段落したときの
 新たな方向性の提示や
 次の課題の設定

 なども,
 必要に応じて教師が行うこと
 が考えられる。

 

 また,
 自らの学びを
 意味付けたり
 価値付けたりして
 自己変容を自覚するために
 振り返りの場面を
 学習過程に位置付けること
 が適切である。

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 児童の主体性を生かした学習と
 教師の適切な指導が
 相まってこそ,
 より質の高い学習が実現され,
 総合的な学習の時間の目標が
 達成される。

 また,
 そのことが
 児童の学習活動への
 満足感や達成感も高める。

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 なお,

 総合的な学習の時間の学習指導
 については
 本解説第7章で,

 評価については
 本解説第8章で

 詳しく解説する。

 
 
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