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 本章では,第5章第3の1の(2)に示された指導計画を構成する六つの要素のうち,主に学習活動に関する事項について述べる。

 本章第1節では,年間指導計画及び単元計画の基本的な考え方を示す。

 第2節では,年間指導計画の作成に当たっての考え方と配慮事項,第3節では,単元計画の具体的な考え方や進め方を示し,第4節では運用に際しての留意事項を示す。

 年間指導計画及び単元計画は,全体計画とは異なり,児童が日々取り組む学習活動の指導計画である。

 児童の実態を踏まえ,学校や地域のもつ特色を生かし,現代的な諸課題につながるなどして探究的に学習するための計画である。

 1年間を通して一つの単元で構成される場合においても,複数の単元で構成される場合でも,育成を目指す資質・能力を中心に計画を立てることが大切である。

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 年間指導計画とは,1年間の流れの中に単元を位置付けて示したものであり,どのような学習活動を,どのような時期に,どのくらいの時数で実施するのかなど,年間を通しての学習活動に関する指導の計画を分かりやすく示したものである。

 総合的な学習の時間における年間指導計画は,各学校で作成した総合的な学習の時間の全体計画を踏まえ,学年や学級において,その年度の総合的な学習の時間の学習活動の見通しをもつために,1年間にわたる児童の学習活動を構想して示すものである。

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 単元計画とは,課題の解決や探究的な学習が発展的に繰り返される一連の学習活動のまとまりである単元についての指導計画である。

 単元は,目標を実現するにふさわしい探究課題及び探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力をよりどころとして計画され,実施される。

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 年間指導計画及び単元計画の作成に当たっては,前年度に教育課程の見直しを行っておくことが必要である。

 前年度の学習活動の様子と,校内をはじめとする当該学年の過去の実践事例を基に,全体計画を参照し,学習活動や育成を目指す資質・能力の実現を中心に計画を立案し,見通しをもって4月を迎えることが大切である。

 年間指導計画と単元計画は相互に関連しており,その作成作業の実際においては,両者を常に視野に入れ,それぞれの計画を作成することが大切である。

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 実際に児童を目の前にし,児童と話し合いながら総合的な学習の時間における学習活動を決めたい,という考え方もある。

 また,4月から一定の時間を掛けて児童と共に学習活動の計画を立てていくこと自体を重要な学習の機会と位置付け,適切に実施する中で,資質・能力を育成してきた事例もある。

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 こうした場合においても,前年度の学習活動の様子や校内をはじめとする当該学年の過去の実践事例を基に,育成を目指す資質・能力を中心に計画を立案し,見通しをもって4月を迎えることが大切である。

 例えば,児童が第3学年の時点で興味・関心を抱くこと,第5学年の時点で不思議に思うことなどがあるのも事実である。

 また,実際に指導する児童について,前の学年での学習活動や取組の様子を事前に把握することもできる。

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 先に例示した,児童とともに学習活動を計画してきた学校でも,実際には指導する教師が計画を作成し,十分な見通しをもって児童と向かい合っている。

 そうであるからこそ,児童の自発的な意見交換の中から,成果が期待できる学習活動を生み出せるのである。

 各学校においては,周到な計画や十分な見通しをもつことで,目の前の児童の思いや願いに丁寧かつ迅速に対応できる。

 
 
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