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 年間指導計画,及び単元計画の運用に当たっては,年度当初に立てた計画も学習活動の展開や児童の取組や願いを随時把握し,育成を目指す資質・能力と照らし合わせながら,必要に応じて適宜見直していく柔軟かつ弾力的な姿勢をもつことが大事である。

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 総合的な学習の時間では,いかに周到に単元計画を作成しても,教師が想定した以上の児童らしい発想や追究の姿が見られることがある。

 また,児童の探究の方向性や課題の捉え方に教師の想定とのずれが生じて,計画通りに展開しない場合や育成を目指す資質・能力の高まりが見られない場合がある。

 あるいは,児童の取組や思考が停滞して,次の段階へ進むことが困難になることもある。

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 そこで,児童の探究の様子や意識の流れ等を常に捉え,当初作成した年間指導計画や単元計画を見直し,修正をしていくことが必要になる。

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 例えば,まちの環境問題を調べて白書にまとめ,区役所や市の環境センターに置いてもらうことで,環境問題を訴えるという単元について考える。

 当初,大気汚染の状況調査や,川の水質調査,ごみ処理の問題などに取り組み始めた児童は,その活動に没頭する。

 しかし,児童は環境問題への取組というゴールの見えない活動に疑問を感じ始め,白書にまとめたところでそれが実際の問題解決につながるのかと考えるようになる。

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 ここで教師は,まず単元計画を見直し,活動のゴールを白書の作成ではなく,それまでの活動や体験を通してまちの人に直接に訴え,児童がまちの人の反応や活動の達成感をより味わえる活動にしようと単元計画を修正する。

 児童は話合いの中で,環境問題を起こすのも解決するのも私たち人間であるから,人々の心を少しずつでも変えていくことが,自分たちにできることであると結論を出し,方法として劇を通しての訴えを行っていこうと決める。

 そして劇団を作り自分たちの体験を基に脚本を作ったり,プロの演出家に指導を受けたりしながら,劇を通して人の心を変えることで環境問題に向き合っていく。

 体験に基づいた脚本や,まちの環境をよくしたいという切実な思い溢れる演技は,質の高い劇を創り出し,まちの公民館や市の環境セミナーなどで繰り返し上演を行っていくことになる。

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 このように,活動中の児童の疑問や問題意識をきちんとつかみ,改めて単元計画を見直す中で,育成を目指す資質・能力の高まりを捉えながら,適宜学習活動の充実を図ることが大切である。

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 次に,このような単元の流れをしっかりと記録し,年間指導計画を修正しながら学校全体で共有することで,次年度以降の単元づくりに多くの示唆を与えることになる。

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 また,単元計画の変更に伴い,授業時間の面でも弾力的な運用が求められる。

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 総合的な学習の時間ではその目標を実現するためには,児童の学習活動が主体的に連続していくように,適宜,可能な指導や支援を想定し,授業を実施する。

 つまり児童の思考や活動がなるべく中断されずに,自己の学びを振り返ることができるような探究的な学習活動の区切りを見極めていく必要がある。

 そのためには,単位時間の設定においてはその活動目的に応じて,単位時間の弾力化が求められる。

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 ほかにも,活動の目的や方法,内容が変更された場合には年間指導計画を見直し,改めて関連する教科等の内容が無いかを検討し,児童の学びの必要感や必然性に基づいて位置付けたり,新たに児童の思考や活動を深める専門家や関連機関等との連携も視野に入れて教材研究し直したりすることが必要になる。

 
 
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