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 各学校においては,育成を目指す資質・能力を明らかにし,教科等横断的な視点をもって教育課程の編成と実施を行うとともに,地域の人的・物的資源を活用するなどして実社会・実生活と児童が関わることを通じ,変化の激しい社会を生きるために必要な資質・能力を育むことが求められている。

 校長は,資質・能力の育成に向けて,児童が実社会・実生活と接点をもちつつ,多様な人々とつながりをもちながら学ぶことのできる教育課程の編成と実施を行わなければならない。

 総合的な学習の時間は,児童が実社会・実生活に向き合い関わり合うことを通じて,自らの人生を切り拓いていくために必要な資質・能力を育成し,人生や社会をよりよく変えていくことに向かう他の教科等にはない特質を有する。

 校長は,各学校において総合的な学習の時間の目標及び内容,学習活動等について決定していかなければならないことから,その教育的意義や教育課程における位置付けなどを踏まえながら,自分の学校のビジョンを全教職員に説明するとともに,その実践意欲を高め,実施に向けて校内組織を整えていかなければならない。

 そして,全教職員が互いに連携を密にして,総合的な学習の時間の全体計画及び年間指導計画等を作成し,実施していく必要がある。

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 さらに,教師が互いに知恵を出し合ったり,実践上の悩みや課題について気軽に相談し合ったりできる体制づくりや雰囲気づくりも,校長をはじめとする管理職の務めである。

 
 

 加えて,総合的な学習の時間では,探究的な学習の広がりや深まりを促すために,校外の様々な人や施設,団体等からの支援が欠かせない。

 また,家庭の理解と協力も必要である。「社会に開かれた教育課程」の理念の下,校長はリーダーシップを発揮し,自分の学校の総合的な学習の時間の目標や内容,実施状況について発表する場と機会を定期的に設けたり,学校だよりやホームページ等により積極的に外部に情報発信したりするなどして,広く理解と協力を求めることが大切である。

 また,地域との連携に当たっては,コミュニティ・スクールの枠組みの積極的な活用や,地域学校協働本部との連携を図ることが望まれるとともに,学習に必要な施設・設備,予算面については,教育委員会等からの支援が欠かせないことは言うまでもない。

 
 

 また,学校種間の「縦」のつながりという点からも,総合的な学習の時間の果たすべき役割と期待が大きいことを踏まえ,小・中学校間で総合的な学習の時間の目標や内容,指導方法等について関連性や発展性が確保されるよう連携を深めることが大切である。

 例えば,中学校区単位で総合的な学習の時間の実施に関わる協議会を組織し,合同研修や情報交換,指導計画作成等を行って連携を深めることも有効である。

 同一中学校区内の小学校と中学校とが協議して,連携の目的や内容,方法を盛り込んだ推進計画を示したり,総合的な学習の時間の支援者に参加協力を求めたりするなど,校長の率先した働きかけが欠かせない。

 
 
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