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 外部連携に当たっては,校長や副校長,教頭,総合的な学習の時間コーディネーター等の担当者が中心となり,外部人材等と連絡・調整の機会を設定することが考えられる。

 その上で,一人一人の教師が個別に外部の教育資源を有効に活用することが大切である。

 その上で,外部の教育資源を有効に活用するためには,校内に外部連携を効率的・継続的に行うためのシステムが必要である。

 ここでは,外部連携のためのシステムや外部連携を適切に行うための配慮事項を記す。

 協力的なシステムを構築するためには,日頃から外部人材などと適切に関わろうとする姿勢をもつことが大切である。

 例えば,地域活動に学校側から積極的に参画していくなどの関わり方が大切である。

 そのことによって信頼関係が築かれ,互いに協力できる態勢ができあがる。

 このことが,外部連携の基盤となっていく。

 
 

 コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の活用や地域学校協働活動との連携は,今後一層求められるようになる。

 外部人材などと連携し,外部の教育資源を適切に活用するためには,校務分掌上に地域連携部などを設置したり,外部と連携するための窓口となる担当者を置いたりすることなどが必要である。

 その上で,地域との連絡協議会などの組織を設置することも考えられる。

 また,学校を支えてくれる地域の有識者との協議の場を設ける必要もある。

 そのためにも,副校長や教頭,教務主任などが地域連携の中心を担うだけでなく,地域連携の中核を担う教師を校内組織に位置付けることも考えられる。

 
 

 学校外の教育資源を活用することに関しては,これまでに培ってきた地域の教育資源の活用のノウハウを生かして,総合的な学習の時間に協力可能な人材や施設などに関するリストを作成することが考えられる。

 そのデータを,校内で共有化し,手軽に,日常的に活用できるように整備しておくことも考えられる。

 こうしたリストを生かして,指導計画などを作成したり,具体的な学習活動を充実さ せたりしていくことが大切である。

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 なお,教育資源の活用に当たっては,教員が全てに直接アクセスする必要はない。

 例えば,地域学校協働活動の枠組を活用し,コーディネーターとなる地域学校協働活動推進員等の協力を得て,学校が期待したい教育活動に,どのような人材や施設等が活用できるか相談し,調整を依頼することも考えられる。

 
 

 外部の教育資源を活用して学習活動を行う際には,協力してくれる地域の人々や施設等の置かれている立場や状況などをしっかり把握しておくことが大切である。

 場合によっては,相手に迷惑を掛けることなども予想される。

 連携に当たっては,外部人材に対して,適切な対応を心掛けるとともに,授業のねらいを明確にし,教師と連携先との役割分担を事前に確認し,育成を目指す資質・能力について共有するなど,十分な打合せをする必要がある。

 加えて,外部人材と事後の反省をしたり,外部人材から事後の評価を受けたりすることなども,その後の学習活動の充実にとって重要である。

 その際,児童に関する個人情報の取り扱いについては,十分に注意しなければならない。

 特に,児童の実態については,学級や学年全体としての傾向を伝えるなどして,個人が特定されることがないように配慮する必要がある。

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 外部から講師を招く際に,例えば,講話内容を任せきりにしてしまうことで,児童が自分で学び取る余地がないほど詳細に教えてもらうことになってしまったり,内容が難し過ぎて児童が理解できなくなってしまったりする場合も見られる。

 外部講師に依存し過ぎることなく,児童の学習状況に応じて教師が指導するなど,学習活動を構成する責任者としての役割を果たさなくてはならない。

 そのためには,外部人材を活用することにより,どのような資質・能力を育成することを期待するのかという点を教師と講師で端的に共有することが大切である。

 
 

 外部との連携を一層円滑にするために,学習成果の発信が必要である。

 学校公開日や学習発表会などの開催を通知したり,学校だよりの配布などをしたりして,保護者や地域の人々に総合的な学習の時間の成果を発表する場と機会を設けることが必要である。

 そのことにより,保護者や地域の人々は,総合的な学習の時間に関心を示すとともに,連携や協力の成果を実感し,満足感をもつことにもなる。

 こうした取組は,総合的な学習の時間が児童の成長につながるだけでなく,相手にとっても大きな成果を生む場合がある。

 
 
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