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ア ゆっくりはっきりと話された際に,自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにする。

 この目標では,自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにすることを示している。

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 中学年で初めて英語に触れることを踏まえて,児童が興味・関心を示すような自分のことや身の回りの物を題材として扱うことが大切である。

 例えば,自分の好きな色や食べ物,自分の着ている服,持ち物など,自分の身の回りの物を表す語句を,ゆっくり話された際に聞き取れるようにする。

 初めて触れる英語の音声を聞き取ることに対して,児童の抵抗感をできるだけなくすよう「ゆっくりはっきり話された際」の聞き取りであることを示している。

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 また,簡単な語句を聞き取るようにすることを目指している。

 英語による活動の経験が少ない児童に早急に表現や話の内容までを聞き取らせることを求めず,自分のことや身の回りの物に関する語句を聞き取ることで,話されているおおよその内容が分かるような内容を扱うことが重要である。

 そのため,ここでは簡単な語句を聞き取るようにすることを目指している。

 また,この項目は,
 高学年の外国語科の(1)「聞くこと」ア
 「ゆっくりはっきりと話されれば,
  自分のことや身近で簡単な事柄
  について
  簡単な語句や基本的な表現を
  聞き取ることができるようにする」
 ことにつながるものである。

 
 

イ ゆっくりはっきりと話された際に,身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする。

 この目標では,アの項目を踏まえた上で,身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにすることを示している。

 ここでいう「身近で簡単な事柄」とは,本解説第1部第2章第1節(2)で述べたとおり,児童がよく知っている人や物、事柄のうち簡単な語彙や基本的な表現で表すことができるものを指しており,アと同様に,児童が興味・関心を示すような簡単な事柄である必要がある。

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 また,アの「簡単な語句」から「基本的な表現」へと段階的に聞き取っていくことを示している。

 その際,児童自らが「分かった」という自信につながるように,十分に聞くことに慣れ親しませることが重要である。

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 「基本的な表現の意味が分かる」とは,英語に初めて触れる段階であることを踏まえ,話し手の顔の表情や身振り,イラストや写真などを手掛かりとして,基本的な表現を聞いて理解することから徐々に手掛かりがなくても意味が分かるようになることを目指している。

 また,英語に初めて触れる段階であることを踏まえ,アと同様,英語への抵抗感をできるだけなくすよう「ゆっくりはっきり話された際」の聞き取りであることを示している。

 この項目は,
 高学年の外国語科(1)「聞くこと」ア
 「基本的な表現を聞き取ることができる
  ようにする」及びイ
 「具体的な情報を聞き取ることができる
  ようにする」
 ことにつながるものである。

 
 

ウ 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする。

 この目標では,文字の読み方の発音を聞いて,それが表す文字が分かるようにすることを示している。

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 ここでいう「文字」とは,英語の活字体の大文字と小文字のことであり,「読み方」とは,文字の名称を指している。

 活字体の文字の名称の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれたその文字と結び付けるなどにより,どの活字体を表しているかを理解するものである。

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 英語の文字には,名称以外に,語の中で用いられる場合の文字が示す音がある。

 例えば,a やc という文字は,/ei/ や/si/ という名称があると同時に,語の中では/æ/(例:bag,apple)や/ei/(例:station,brave),/s/(例:circle,city)や/k/(例:cap,music)という音をもっている。

この目標における「読み方」とは,音ではなく,文字の名称の読み方を指していることに留意する必要がある。

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 この目標では,英語の文字の名称の読み方に児童が気付くようにすることを求めたものであるが,文字の名称の読み方を指導することは,身の回りの物を表す語句を指導することと同様であることに留意する必要がある。

 例えば,k という文字の名称の読み方(/kei/)を聞いてどの文字かが分かるようにするこ とは,red という色を表す語の発音を聞いて色を識別したり,apple という果物を表す語の発音を聞いてどの果物のことかが分かったりするように指導することと同様である。

 明示的に文字の形を指導したり,英語の文字をアルファベット順に暗記させたりするのではなく,英語に初めて触れる段階であることから,児童が文字に対して興味・関心を高めるように,まず,身の回りに英語の文字がたくさんあることに気付かせるなど,楽しみながら文字に慣れ親しんでいくように,文字を扱うことが重要である。

 また,この項目は,
 高学年の外国語科(2)「読むこと」ア
 「活字体で書かれた文字を識別し,
  その読み方を発音することができる
  ようにする」
 ことにつながるものである。

 
 
 
 
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