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(ア) 知り合いと簡単な挨拶を交わしたり,感謝や簡単な指示,依頼をして,それらに応じたりする活動。

 この事項では,学級の友達や教師と挨拶を交わしたり,感謝や簡単な指示,依頼をしたり,それらに応じたりする活動を示している。

 「知り合いと」とは,初対面でなく日頃から馴染みのある人を指しており,児童にとって身近で日常的な場面設定の中で,言語活動が行われるよう留意する必要がある。

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 例えば,“How are you?”という問いかけに対して,自分の体調や状態を答 えたり,“The A card, please.”という依頼に対して“Here you are.”などと言いながら文字のカードを渡して応じたり,また,それに対して依頼した側が “Thank you.”と感謝の言葉を言ったりするなどの活動が考えられる。

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 簡単な挨拶を含むこうしたやり取りは,コミュニケーションを円滑にする上で,大切なものである。

 そこで,言葉のやり取りだけに終始するのではなく,場面設定をし,意味のあるやり取りを通して,互いの心を通わすことの大切さを児童に意識させるとともに,その楽しさを実感させることが重要である。

 また,このような問い掛けや依頼に対する反応の仕方は,場面や状況,相手によって異なってくることも想定される。

 そこで,場面設定に工夫を加え,豊かな言語活動を行うことができるよう配慮することも大切である。

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 なお,こうした活動を行う際,「話すこと」を急がせないよう留意する必要がある。

 まず,音声を十分に聞かせた上で,繰り返し言うなどの様々な活動を通してそれらに慣れ親しませ,自信や話すことへの意欲を高めながら,段階的に「話す」活動へつなげることが求められる。

 加えて,児童が発する表現等が例え曖昧であっても「英語を使おうとする」意欲や態度を認め,賞賛し,支援を行うなどして,英語を用いたコミュニケーションの楽しさを児童が実感できるよう配慮することが重要である。

 こうした経験が,伝え合う力の素地や主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成につながる。

 これらのことは,「話すこと[やり取り]」及び「話すこと[発表]」で示した全ての言語活動において,大切にすべき事項である。

 
 

(イ) 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,好みや要求などの自分の考えや気持ちなどを伝え合う活動。

 この事項は,具体的な場面設定の中で,動作を交えながら,好みや要求などに関して,自分の考えや気持ちなどを伝え合う活動である。

 例えば,ペアやグループなど多様な形態で,自分の好きな色や食べ物,欲しい物などについて伝え合う言語活動が考えられる。

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 「伝え合う」とは,一方向ではなく,双方向で感情や情報についてのやり取りがある活動を示している。

 つまり,話し手は,聞き取りやすい声で言ったり動作を交えたりしながら聞き手を意識して分かりやすく伝え,聞き手はうなずくなどの反応を返して相手の考えや気持ちを受容しながら聞こうとするなどの態度を育てることが求められる。

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 この活動においては,児童が興味・関心をもち,「伝え合う」ことへの意欲が高まるような場面設定や題材の選択を行い,活動を通して,児童が,自己理解・他者理解を深め,コミュニケーションの楽しさを実感できるように配慮することが重要である。

 
 

(ウ) 自分や相手の好み及び欲しい物などについて,簡単な質問をしたり質問に答えたりする活動。

 この事項では,互いの好みや欲しい物などについて,簡単な質問をしたり質問に答えたりする活動を示している。

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 例えば,“Do you like blue?”という好みを尋ねたり,“What do you want?”という質問に対して“I want carrots.”と答えたりするなどの活動が考えられる。

 ただし,第2の1の目標(2)「話すこと[やり取り]」ウの項目に示されているように,児童の実態に応じて指導者が適切なサポートを行うよう留意する必要がある。

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 主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養うためには,こうした言語活動を,児童にとって身近で具体的な場面設定の中で行い,「誰に」,「何のために」という,「相手意識」や「目的意識」をもって,質問したり答えたりする必然性のある活動とすることが重要である。

 そのためにも,指導者から児童,児童から指導者,また児童同士など,多様な形態で活動が行われるよう配慮することが大切である。

 
 
 
 
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