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ア はっきりと話されれば,日常的な話題について,必要な情報を聞き取ることができるようにする。

 この目標では,小学校の外国語科の「聞くこと」の目標イ「ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取ることができるようにする」を受け,「日常的な話題」について,話されることの全てではなく,聞き手として目的に応じて知りたいことや欲しい情報などの「必要な情報」を聞き取る力を身に付けさせることを示している。

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 小学校の外国語科では,「ゆっくりはっきりと」話されることが示されており,聞き取りやすく話されることが前提条件となるが,中学校では「はっきりと話されれば」としている。

 これは,明瞭な音声で話されることを示している。

 また,小学校の「ゆっくり」という条件がなくなり,音のつながりなどが聞き取れるようになるためにも,過度に遅くなく自然な速度に近い音声を聞き取ることを目指している。

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 この目標での「日常的な話題」とは,生徒の日々の生活に関わる話題のうち,生徒にとって身近な学校生活や家庭生活などにおけるもので,具体的には,例えば学校行事における係分担の説明や持ち物等の連絡,天気予報,交通情報などが考えられる。

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 「必要な情報」については,話されることの全てを聞き取ろうとするのではなく,自分の置かれた状況などから判断して必要な情報を把握することが大切である。

 第2の2(3)@「聞くこと」(イ)に示す「店や公共交通機関などで用いられる簡単なアナウンス」といったものを教材に取り上げ,必要な情報を聞き取ることができるようにすることが考えられる。

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 なお,小学校の外国語科では,聞き取る対象が「具体的な情報」であり,「誕生日や時刻,値段など児童の日常生活と密接に関連した内容」(小学校学習指導要領解説 外国語活動・外国語編)とされていることとの違いに留意する必要がある。

 
 

イ はっきりと話されれば,日常的な話題について,話の概要を捉えることができるようにする。

 この目標では,小学校の外国語科の「聞くこと」の目標ウ「ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,短い話の概要を捉えることができるようにする」を受け,「日常的な話題」について,話されること全体の大まかな内容を捉える力を身に付けさせることを示している。

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 この目標での「日常的な話題」とは,生徒の日々の生活に関わる話題のうち,生徒にとって身近な学校生活や家庭生活などにおけるもので,具体的には,例えば最も思い出に残っている学校行事や自分の好きなことなどが考えられる。

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 小学校の外国語科では「短い話の概要」を捉えることを目標にしているが,中学校ではある程度まとまりのある英語を取り扱う。

 「話の概要を捉える」とは,一つの話題に沿って話されるものなど,内容に一貫性のある英語を最初から最後まで聞き,一語一語や一文一文の意味など特定の部分にのみとらわれたりすることなく,全体としてどのような話のあらましになっているのかを捉えることである。

 例えば「お気に入りの日本食」についてALTが授業で話すのを聞き,話全体の大まかな内容を捉えることができるようにすることなどが考えられる。

 
 

ウ はっきりと話されれば,社会的な話題について,短い説明の要点を捉えることができるようにする。

 この目標では,「社会的な話題」に関する説明を聞き,特に中心となる事柄などの話の大切な部分を捉える力を身に付けさせることを示している。

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 この目標での「社会的な話題」とは,社会で起こっている出来事や問題に関わる話題のことで,具体的には,例えばエネルギー問題や国際協力などが考えられる。

 小学校の外国語科では「日常生活に関する身近で簡単な事柄」のみを取り上げるのに対し,中学校では広く日常的な話題から社会的な話題まで扱うことに留意する必要がある。

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 ここでは,イのように話全体のあらましを把握するのではなく,「要点」,すなわち話し手が伝えようとする最も重要なことは何であるかを判断して捉えることが求められている。

 聞く対象となる「短い説明」とは,「要点を捉える」ためにも,ある程度の情報が入ったまとまりのある説明文などが考えられるが,音声を通してより重要な情報は何かを判断する必要があるため,中学生が聞く内容としてその分量には十分配慮する必要がある。

 例えば「地球温暖化の防止」をテーマとした講演など,一つの話題に沿って話される首尾一貫した内容を最初から最後まで聞き,話し手が最も伝えたいことは何であるかを判断して捉えることができるようにすることが考えられる。

 
 
 
 
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