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ア 関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて正確に書くことができるようにする。

 この目標では,小学校の外国語科の「書くこと」の

目標ア
「大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする」及び

「自分のことや身近で簡単な事柄について,例文を参考に,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるようにする」

を受け,語句や表現を書き写したり,例文を参考に自分のことなどについて書いたりすることができるだけでなく,「関心のある事柄」について,伝えたい内容を正確な英語で書くことができる力を身に付けさせることを示している。

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 この目標での「関心のある事柄」とは,「話すこと[やり取り]」アと同様,スポーツ,音楽,映画,テレビ番組,学校行事,休日の計画,日常の出来事など,身の回りのことで生徒の共通の話題となっていることを意味している。

 これらの事柄について,例えば自分が関心をもっていること,趣味や好き嫌い,日記や短い説明などを書けるようになることを目標としている。

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 「簡単な語句や文を用いて」とは,「読むこと」でも解説したとおり,小学校での学習やこれまでの経験の中で触れてきた語彙や表現を含め,中学校で扱う語句や文を用いることである。これは,次のイ及びウについても同様である。

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 また,「正確に書く」とは,小学校の外国語科において,大文字と小文字の正しい書き分けや,符号の適切な使用など,「書くこと」に慣れ親しんできたことを踏まえ,文構造や文法事項を正しく用いて正しい語順で文を構成することや,伝えたいことについての情報を正確に捉え,整理したり確認したりしながら書くことを示している。

 文字言語においては,音声言語以上に正確さが重視されることから,特に「正確に」書くとしていることに留意する必要がある。

 
 

イ 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどを整理し,簡単な語句や文を用いてまとまりのある文章を書くことができるようにする。

 この目標では,「日常的な話題」について,自分が伝えたいことや情報,考えたことや感じたことなどを明らかにし,それらを整理した上で,内容的にまとまりのある文章を書くことができる力を身に付けさせることを示している。

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 この目標での「日常的な話題」としては,「話すこと[発表]」イと同様,生徒の日々の生活に関わる話題のうち,生徒自身や家族に関すること,生徒の興味・関心の対象となることや社会生活で必要なことなどである。

 具体的には,例えば,基本的で個人的な情報から始まり,住んでいる場所や部屋の様子,行きたい場所,家族や友人,所有しているもの,好きな動植物や飼っているペット,学校生活や家庭生活における出来事などが考えられる。

 それらの話題について,メールや手紙,日記,レポート,スピーチ原稿などの形式により,事実を伝えたり,出来事を描写したり,考えを述べたり,気持ちを伝えたりすることができるようになることを目指す。

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 事実や自分の考え,気持ちなどを「整理」して書くとは,事実やテーマから想起される自分の考えや気持などを整理したメモなどを基にして書くことである。

 「まとまりのある文章を書く」とは,文と文の順序や相互の関連に注意を払い,全体として一貫性のある文章を書くことを示している。

 「導入−本論−結論」や「主題−根拠や具体−主題の言い換えや要約」など,文章構成の特徴を意識しながら,全体として一貫性のある文章を書くことができるようにすることが重要である。

 さらに,出来事や事実を描写したり,考えや感想を述べたりする場合において,よりよく読み手に伝わるよう意識しながら,自分の言いたいことに最もふさわしい表現形式を工夫して書き表すことができるようにすることも必要である。

 
 

ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて書くことができるようにする。

 この目標では,聞いたり読んだりしたことを基に,その内容に関する自分の意見や感想などを書くことができる力を身に付けさせることを示している。

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 「話すこと[発表]」ウと同様,この目標での「社会的な話題」とは,社会で起こっている出来事や問題に関わる話題のことであり,広く国内外で起こっている事象で,多様な考え方ができるものを取り上げる。

 具体的には,例えば他教科等でも扱われる自然環境,世界情勢,科学技術,平和などの話題が考えられ,「聞いたり読んだりしたこと」とは,そうした話題に関する教師や生徒の発話,映像や音声の教材,ニュースや新聞記事,図表,ポスター,電子メールなど,様々な音声媒体や文字媒体による情報や考えなどを意味している。

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 「考えたことや感じたこと,その理由など」を「書く」とは,「聞いたり読んだりしたこと」の要点を捉え,自分が考えたことや感じたことを,その理由を交えて書くことができることを意味している。

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 ここでは,様々な題材の英文を扱うことで,聞いたり読んだりしたことの内容を理解するだけでなく,その内容に関して自分の意見や感想をもち,その内容をまとめて書くことを示している。

 その際,I think やI agree などの表現を用いて賛否や自分の意見を述べたり,because やso などの接続詞を用いて自分の意見や主張とその理由や根拠の関係を明確にしたり,first やsecond などの副詞を用いて内容を整理して述べたりすることが考えられる。

 このように,論点を明らかにしたり,順序付けを行ったりすることにより,読み手にとって読みやすく分かりやすい文章が書けるようになることが重要である。

 
 
 
 
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