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(2) 我が国の歴史上の主な事象について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

 その際,我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,大まかな歴史を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解すること。

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(ア) 狩猟・採集や農耕の生活,古墳,大和朝廷(大和政権)による統一の様子を手掛かりに,むらからくにへと変化したことを理解すること。

(イ) 大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子を手掛かりに,天皇を中心とした政治が確立されたことを理解すること。

(ウ) 貴族の生活や文化を手掛かりに,日本風の文化が生まれたことを理解すること。

(エ) 源平の戦い,鎌倉幕府の始まり,元との戦いを手掛かりに,武士による政治が始まったことを理解すること。

(オ) 京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画を手掛かりに,今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解すること。

(カ) キリスト教の伝来,織田・豊臣の天下統一を手掛かりに,戦国の世が統一されたことを理解すること。

(キ) 江戸幕府の始まり,参勤交代や鎖国などの幕府の政策,身分制を手掛かりに,武士による政治が安定したことを理解すること。

(ク) 歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学(らんがく)を手掛かりに,町人の文化が栄え新しい学問がおこったことを理解すること。

(ケ) 黒船の来航,廃藩置県や四民平等などの改革,文明開化などを手掛かりに,我が国が明治維新を機に欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことを理解すること。

(コ) 大日本帝国憲法の発布,日清・日露の戦争,条約改正,科学の発展などを手掛かりに,我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことを理解すること。

(サ) 日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦,日本国憲法の制定,オリンピック・パラリンピックの開催などを手掛かりに,戦後我が国は民主的な国家として出発し,国民生活が向上し,国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことを理解すること。

(シ)遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 この内容は,「歴史と人々の生活」に区分される内容であり,我が国の歴史上の主な事象についての学習で身に付ける事項を示している。

 我が国の歴史上の主な事象とは,我が国の歴史の進展に大きな影響を与えた各時期の代表的な歴史上の事象のことである。

 具体的には内容(2)のアの(ア)から(サ)までに示された歴史上の事象を指しており,我が国の歴史を学習する際に調べる対象のことである。

 我が国の歴史上の主な事象に関する内容については,アの(ア)から(サ)までの各項目とアの(シ)及びイの(ア)を,それぞれ関連付けて指導する。

 例えば,

世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめ,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考え,表現することを通して,
大まかな歴史を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解
できるようにすることである。

 また,歴史を学ぶ意味を考え,表現できるようにすることである。

 
 

(2) 我が国の歴史上の主な事象について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

 その際,我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,大まかな歴史を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解すること。

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの前文及び(ア)から(サ)までは,知識に関わる事項である。

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 前文では,歴史学習全体を通して,我が国の歴史の進展に大きな影響を与えた(ア)から(サ)までの代表的な歴史上の事象を手掛かりに,我が国が歩んできた大まかな歴史を理解するとともに,それらの事象に関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解することである。

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 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりにするとは,

(ア)から(サ)までに示されている各時代の典型的な歴史上の事象や関連する人物,代表的な文化遺産についての知識を習得し,その知識を基に考えるようにすることである。

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 大まかな歴史を理解することとは,

政治の中心地や世の中の様子によって分けたいくつかの時期における世の中の動きを人物の業績や優れた文化遺産を通して捉え,我が国が歩んできた歴史を大まかに理解することである。

 従って,小学校では歴史を通史として事象を網羅的に取り扱うものではないことに留意する必要がある。

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 関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解することとは,

我が国が歩んできた歴史の中で,その時期の世の中の様子を形づくったり,国家や社会の変化に大きな影響を及ぼしたりした先人の働きとともに,各時代の人々によって生み出され,今日まで保存・保護されてきた文化遺産の大切さを理解することである。

 
 

(シ)遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

 アの(シ)は,技能に関わる事項である。

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 遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめることとは,

歴史学習を通して身に付ける調べ方や,調べたことを表現する学習の仕方を示している。

 遺跡や文化財については,地域の博物館や資料館等を活用したり,学芸員から話を聞いたりして調べること,地図や年表などの資料については,歴史上の事象について,分布や経路などを表した地図や,出来事の経緯を示した年表,事象や出来事の様子を書き記した資料などで調べることを示している。

 また,歴史上の事象について調べたことや考えたこと,理解したことを整理してまとめることを示している。

 このような調べ方やまとめ方を繰り返しつつ,歴史上の事象を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにすることが大切である。

 このほか,資料については,人物の肖像画や伝記,エピソード(逸話)などによって人物への関心や調べる意欲を高めることも考えられる。

 
 

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 イの(ア)は,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

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 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現することとは,

社会的事象の見方・考え方を働かせ,
我が国の歴史上の主な事象について,
例えば,
世の中の様子,
人物の働きや
代表的な文化遺産
などに関する問いを設けて調べたり,

歴史の展開や
歴史を学ぶ意味
を考えたりして,

調べたことや考えたことを
表現することである。

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 世の中の様子に着目するとは,

例えば,

いつから始まったか,
どのような世の中だったか,
どのように発展したか

などの問いを設けて,
アの(ア)から(サ)までに示された
それぞれの時期における
国家・社会の様子について
調べることである。

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 人物の働きに着目するとは,

例えば,

その人物は
どのようなことをしたか,
なぜそうしたか,
社会や人々にどのような影響を与えたか

などの問いを設けて,
国家・社会の発展や
優れた文化遺産を生み出すことに
貢献した先人
の働きについて調べることである。

 なお(ア)から(コ)までに示された
歴史上の事象を調べる際には,
内容の取扱いの(2)のウに示された,
事象と関わりの深い人物の働き
を中心にして
具体的に調べるようにする。

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 代表的な文化遺産に着目するとは,

例えば,

誰がいつ頃作ったか,
何のために作ったか,
歴史上どのような意味や価値があるか

などの問いを設けて,
我が国の代表的な文化遺産について
調べることである。

 その際,内容の取扱いの(2)のイに示された,国宝,重要文化財に指定されているものや日本遺産に認定されているもの,世界文化遺産に登録されているものなど,国家・社会の発展を象徴する優れた文化遺産について調べることが考えられる。

 これらの文化遺産については,歴史上の主な事象や人物の働きとの関連に配慮して児童が理解しやすいものを選択して取り上げ,具体的に調べることができるようにする。

 また,人々の工夫や努力によって生み出され,今日に至るまで保存,継承されてきたことの意味を考えるようにすることが大切である。

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 このようにして,我が国の歴史上の主な事象を捉えることができるようにする。

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 我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現するとは,

例えば,

調べた歴史上の主な事象を
関連付けたり総合したりして,

世の中の様子や
国家・社会の変化,
歴史を学ぶ意味

などを考えたりして,
文章で記述したり,
年表や図表などにまとめたこと
を基に説明したりすることである。

 歴史を学ぶ意味を考えるとは,

歴史学習の全体を通して,
歴史から何が学べるか,
歴史をなぜ学ぶのかなど
歴史を学ぶ目的や大切さなど
について考えることである。

 例えば,
我が国の伝統や文化は
長い歴史の中で育まれてきたこと
を踏まえ,

過去の出来事は
現代と
どのような関わりをもっているかなど
過去の出来事と
今日の自分たちの生活や社会と
の関連や,

歴史から学んだことを
どのように生かしていくかなど
国家及び社会の発展を

考えることである。

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 その際,今日の自分たちの生活は,長い間の我が国の歴史や先人たちの働きの上に成り立っていることや,遠い祖先の生活が自分たちの生活と深く関わっていることなどを理解できるようにし,自分たちもこれからの歴史の担い手となることや,平和で民主的な国家及び社会を築き上げることについて,考えを深めるようにすることが大切である。

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 実際の指導に当たっては,我が国の歴史は各時期において様々な課題の解決や人々の願いの実現に向けて努力した先人の働きによって発展してきたことを理解できるようにし,我が国が発展してきた基盤について考え,我が国の歴史への関心を高めるようにすることが大切である。このことは,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情を育てることにつながるものである。

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 また,人物の働きや代表的な文化遺産を中心とした学習の効果を高めるためには,内容のアの(ア)から(サ)までに示した事象を取り扱う授業時数に軽重を付けるなど,単元の構成を工夫する必要がある。

 
 
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(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)から(サ)までについては,児童の興味・関心を重視し,取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど,精選して具体的に理解できるようにすること。

 その際,アの(サ)の指導に当たっては,児童の発達の段階を考慮すること。

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イ アの(ア)から(サ)までについては,例えば,国宝,重要文化財に指定されているものや,世界文化遺産に登録されているものなどを取り上げ,我が国の代表的な文化遺産を通して学習できるよう配慮すること。

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ウ アの(ア)から(コ)までについては,例えば,次に掲げる人物を取り上げ,人物の働きを通して学習できるよう指導すること。

卑弥呼(ひみこ),
聖徳太子(しょうとくたいし),
小野妹子(おののいもこ),
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ),
中臣鎌足(なかとみのかまたり),
聖武天皇(しょうむてんのう),
行基(ぎょうき),
鑑真(がんじん),
藤原道長(ふじわらのみちなが),
紫式部(むらさきしきぶ),
清少納言(せいしょうなごん),
平清盛(たいらのきよもり),
源頼朝(みなもとのよりとも),
源義経(みなもとのよしつね),
北条時宗(ほうじょうときむね),
足利義満(あしかがよしみつ),
足利義政(あしかがよしまさ),
雪舟(せっしゅう),
ザビエル,
織田信長(おだのぶなが),
豊臣秀吉(とよとみひでよし),
徳川家康(とくがわいえやす),
徳川家光(とくがわいえみつ),
近松門左衛門(ちかまつもんざえもん),
歌川広重(うたがわひろしげ),
本居宣長(もとおりのりなが),
杉田玄白(すぎたげんぱく),
伊能忠敬(いのうただたか),
ペリー,
勝海舟(かつかいしゅう),
西郷隆盛(さいごうたかもり),
大久保利通(おおくぼとしみち),
木戸孝允(きどたかよし),
明治天皇,
福沢諭吉(ふくざわゆきち),
大隈重信(おおくましげのぶ),
板垣退助(いたがきたいすけ),
伊藤博文(いとうひろぶみ),
陸奥宗光(むつむねみつ),
東郷平八郎(とうごうへいはちろう),
小村寿太郎(こむらじゅたろう),
野口英世(のぐちひでよ)

--------------------------------

エ アの(ア)の「神話・伝承」については,古事記,日本書紀,風土記などの中から適切なものを取り上げること。

--------------------------------

オ アの(イ)から(サ)までについては,当時の世界との関わりにも目を向け,我が国の歴史を広い視野から捉えられるよう配慮すること。

--------------------------------

カ アの(シ)については,年表や絵画など資料の特性に留意した読み取り方についても指導すること。

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キ イの(ア)については,歴史学習全体を通して,我が国は長い歴史をもち伝統や文化を育んできたこと,我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにするとともに,現在の自分たちの生活と過去の出来事との関わりを考えたり,過去の出来事を基に現在及び将来の発展を考えたりするなど,歴史を学ぶ意味を考えるようにすること。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)から(サ)までについては,児童の興味・関心を重視し,取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど,精選して具体的に理解できるようにすること。

 その際,アの(サ)の指導に当たっては,児童の発達の段階を考慮すること。

 内容の取扱いの(2)のアは,小学校の歴史学習における配慮事項を示したものである。

 小学校の歴史学習は,人物の働きや代表的な文化遺産を中心として学習することとしている。

 児童にとっては我が国の歴史を初めて学習することから,児童の興味・関心を踏まえて,取り上げる人物や文化遺産を精選する必要がある。

 また,小学校の歴史学習においては,歴史上の主な出来事や年号などを覚えることだけでなく,我が国の歴史に対する興味・関心をもち,歴史を学ぶ楽しさを味わわせるとともに,歴史を学ぶことの大切さに気付くようにする必要がある。

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 指導計画を作成する際には,例えば,(ア)から(サ)までに示された歴史上の事象の中で重点的に扱うものと関連的に扱うものを明確にして授業時間の掛け方に軽重を付けるなど,歴史上の主な事象の取り上げ方を工夫し,小学校の歴史学習に関する目標や内容が一層効果的に実現できるようにすることが大切である。

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 実際の指導に当たっては,内容の(2)の(ア)から(サ)までに示された歴史上の主な事象に対応する人物の働きや代表的な文化遺産を取り上げるとともに,重点的に扱う歴史的事象やそれに対応する人物などについては,資料の数や扱う授業時間数に軽重を付けるなど,指導の重点の置き方に工夫を加え,人物の働きを具体的に理解できるようにする。

 その際,児童の発達の段階を踏まえた教材,資料の内容や提示の仕方などを工夫し,学習活動を具体的に展開する必要がある。

 また,内容の(2)の(サ)については,その後の中学校以降の歴史学習との関連を図り,児童の発達の段階を踏まえて指導するように配慮する必要がある。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

イ アの(ア)から(サ)までについては,例えば,国宝,重要文化財に指定されているものや,世界文化遺産に登録されているものなどを取り上げ,我が国の代表的な文化遺産を通して学習できるよう配慮すること。

 内容の取扱いの(2)のイは,代表的な文化遺産を通して歴史学習を進める上で,内容の(2)の(ア)から(サ)に示した歴史上の主な事象に関連して,取り上げる文化遺産の範囲を例示したものである。

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 「重要文化財」とは,国内の建造物,美術工芸品等の文化財の中から国によって指定されたものであり,「国宝」とは,重要文化財のうち,学術的に価値が極めて高く,かつ代表的なものとして指定されたものである。

 「世界文化遺産」とは,ユネスコによって世界遺産リストに登録された遺跡や景観,自然などの世界遺産のうち,我が国に所在する建築物や遺跡などの文化遺産を指している。

 また,地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語り継ぐことを目的として文化庁が認定している「日本遺産」を取り上げることも考えられる。

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 ここでは歴史上の主な事象と関連の深い国宝,重要文化財,世界文化遺産などの中から適切なものを取り上げ,我が国の代表的な文化遺産を通して学習が具体的に展開できるよう配慮する必要がある。

 なお,地域の実態を生かし,歴史上の主な事象に対する関心や理解を深める観点から,自分たちの住む県や市によって指定されている文化財などを取り上げることも一つの方法である。

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 実際の指導においては,取り上げた文化遺産を通して,それらが我が国の先人の工夫や努力によって生み出されたものであることや,自分たちの祖先によって現在まで大切に受け継がれてきたこと,それらは我が国の伝統や文化の特色や現在の自分たちの生活や文化の源流などを考える上で欠かすことのできない高い価値をもっていることを具体的に理解できるようにするとともに,我が国の伝統や文化を大切にしようとする態度を育てるようにすることが大切である。

 
 

(内容の取扱い)

ウ アの(ア)から(コ)までについては,例えば,次に掲げる人物を取り上げ,人物の働きを通して学習できるよう指導すること。

卑弥呼(ひみこ),
聖徳太子(しょうとくたいし),
小野妹子(おののいもこ),
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ),
中臣鎌足(なかとみのかまたり),
聖武天皇(しょうむてんのう),
行基(ぎょうき),
鑑真(がんじん),
藤原道長(ふじわらのみちなが),
紫式部(むらさきしきぶ),
清少納言(せいしょうなごん),
平清盛(たいらのきよもり),
源頼朝(みなもとのよりとも),
源義経(みなもとのよしつね),
北条時宗(ほうじょうときむね),
足利義満(あしかがよしみつ),
足利義政(あしかがよしまさ),
雪舟(せっしゅう),
ザビエル,
織田信長(おだのぶなが),
豊臣秀吉(とよとみひでよし),
徳川家康(とくがわいえやす),
徳川家光(とくがわいえみつ),
近松門左衛門(ちかまつもんざえもん),
歌川広重(うたがわひろしげ),
本居宣長(もとおりのりなが),
杉田玄白(すぎたげんぱく),
伊能忠敬(いのうただたか),
ペリー,
勝海舟(かつかいしゅう),
西郷隆盛(さいごうたかもり),
大久保利通(おおくぼとしみち),
木戸孝允(きどたかよし),
明治天皇,
福沢諭吉(ふくざわゆきち),
大隈重信(おおくましげのぶ),
板垣退助(いたがきたいすけ),
伊藤博文(いとうひろぶみ),
陸奥宗光(むつむねみつ),
東郷平八郎(とうごうへいはちろう),
小村寿太郎(こむらじゅたろう),
野口英世(のぐちひでよ)

 内容の取扱いの(2)のウは,人物の働きを中心とした学習を進める上で,内容の(2)の(ア)から(コ)に示した歴史上の主な事象との関連を考慮して,取り上げる人物を例示したものである。

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 具体的には,歴史学習の(ア)から(コ)までの10項目に示した歴史的事象に関連して,国家及び社会の発展に大きな働きをした代表的な人物を,政治,文化などの分野から取り上げて,合計42名を例示している。

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 実際の指導においては,これらの人物を取り上げ,その働きを通して指導を行うことが適切であると考えられる。

 しかし,これらは例示として示しているものであり,指導のねらいを実現できるのであれば,例示した人物に代えて,他の人物を取り上げることも可能である。

 その際には,内容の取扱いの(2)のアに示された精選の趣旨を踏まえるよう配慮する必要がある。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

エ アの(ア)の「神話・伝承」については,古事記,日本書紀,風土記などの中から適切なものを取り上げること。

 内容の取扱いの(2)のエは,内容の(2)の(ア)において,「神話・伝承」について指導する際の出典の範囲及びそれの取り上げ方を示したものである。

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 ここで取り上げる「神話・伝承」については,「古事記,日本書紀,風土記など」の中から,国の形成に関する考えを学習する上で適切なものを取り上げることを示している。

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 古事記,日本書紀,風土記などには,国が形成されていく過程に関する考え方をくみ取ることのできる,高天原(たかまのはら)神話,天孫降臨,出雲国譲り,神武天皇の東征の物語,九州の豪族や関東などを平定した日本武尊(やまとたけるのみこと)の物語などが記述されている。

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 ここでの指導に当たっては,これらの神話・伝承の中から児童が興味や関心をもつことのできるものを取り上げ,国の形成に関する当時の人々の考え方などに関心をもつように指導することが大切である。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

オ アの(イ)から(サ)までについては,当時の世界との関わりにも目を向け,我が国の歴史を広い視野から捉えられるよう配慮すること。

 内容の取扱いの(2)のオは,世界の国々との関わりが深い歴史上の主な事象について調べる際の指導の配慮事項を示したものである。

 例えば,イの(イ)の「大陸文化の摂取」,イの(エ)の「元との戦い」,イの(カ)の「キリスト教の伝来」,イの(ケ)の「黒船の来航」,イの(コ)の「日清・日露の戦争」,イの(サ)の「日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦」を取り上げる際には,当時の世界の動きが大まかに分かる地図などの資料を用いるようにすることが考えられる。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

カ アの(シ)については,年表や絵画など資料の特性に留意した読み取り方についても指導すること。

 内容の取扱いの(2)のカは,歴史上の事象について調べまとめる技能を身に付ける際の配慮事項を示したものである。

 年表については,出来事が生じた時期や歴史の展開を捉える上で手掛かりとなる資料であることを指導するとともに,その読み方を確実に身に付けるようにすることが大切である。

 また,絵画などの資料については,資料の特性に留意して調べることができるようにすることが大切である。

 例えば,遺跡や遺物については,当時の人々の生活の様子を探る上で参考になる資料であること,絵画については,当時または後の時代に作成者が意図をもって描いた資料であり,事象について考える手掛かりになる資料であることなど,各々の資料の特性に留意させることなどが大切である。

 
 

(内容の取扱い)

(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。

キ イの(ア)については,歴史学習全体を通して,我が国は長い歴史をもち伝統や文化を育んできたこと,我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにするとともに,現在の自分たちの生活と過去の出来事との関わりを考えたり,過去の出来事を基に現在及び将来の発展を考えたりするなど,歴史を学ぶ意味を考えるようにすること。

 内容の取扱いの(2)のキは,小学校の歴史学習全体を通して配慮すべき事項を示したものである。指導に当たっては,アの(ア)から(サ)までに示されている事項の全てを通して,我が国が歩んできた大まかな歴史を理解できるようにする。

 その際,我が国は遠い祖先からの長い歴史をもち,その間,私たちの祖先は世界に誇ることのできる,日本固有の伝統や文化を育んできたこと,また,我が国の歴史について,狩猟・採集や農耕の生活,大和朝廷(大和政権)による統一以降,政治の中心地や世の中の様子などに着目すると幾つかの時期に区分することができることに気付くようにすることが大切である。

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 また,取り上げる歴史上の事象と人物の働きや代表的な文化遺産を関連させ,我が国の伝統や文化が長い歴史を経て築かれてきたものであること,そうした遠い祖先の生活や,人々の工夫や努力が今日の自分たちの生活と深く関わっていることに気付くことができるようにすることが大切である。

 なお,その際,「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」(平成20年6月6日衆・参議院本会議),「アイヌ文化の復興等を促進するための民族共生象徴空間の整備及び管理運営に関する基本方針について」(平成26年6月13日閣議決定(平成29年6月27日一部変更))を踏まえ,現在の北海道などの地域における先住民族であるアイヌの人々には独自の伝統や文化があることに触れるようにする。

 また,現在の沖縄県には琉球の伝統や文化があることにも触れるようにする。それらの伝統や文化は長い歴史の中で育まれてきたことに気付くようにする。

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 さらに,自然災害からの復興,少子高齢化の問題,環境問題,日本人拉致問題,領土問題など,国内外に残されている課題等にも触れ,これからの国際社会における我が国の在り方について考えるようにすることも大切である。

 こうした学習を通して,我が国の歴史を学ぶ意味を考えるとともに,歴史に対する理解を深め,興味・関心を高めるようにする。

 
 
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